タイのバイオテクノロジー企業MEDEZEと、政府系の医薬品製造機関GPO(Government Pharmaceutical Organization)が、細胞培養培地の国産製造拠点を共同で構築する計画を明らかにした。
東南アジアの培地依存という課題
細胞培養培地はバイオ医薬品・ワクチン製造における不可欠な消耗品であり、現在は欧米や日本の大手サプライヤーへの依存度が高い。新型コロナウイルスのパンデミックでは、培地を含む製造資材の供給途絶が世界的な問題となり、各国・各地域が「製造の自給化」を重要な政策課題として認識するようになった。東南アジア諸国も例外ではなく、ワクチン製造能力の底上げとともに、上流工程を支える培地・試薬のローカル調達が戦略的優先事項として浮上している。
製造自給化の意義
今回のMEDEZEとGPOの連携は、タイ国内でバイオ製造のサプライチェーンを垂直統合していく取り組みのひとつといえる。GPOはタイ政府の意向を受けた機関であり、このような公民連携によって国産培地の品質基準の確立や規制整備が並行して進むことが期待される。細胞培養培地はモノクローナル抗体からウイルスベクター、mRNA製造の前段階となる細胞増殖まで幅広い工程で使用される。東南アジア地域での製造能力拡大を目指す動きは、アジア全体のバイオプロセス産業の地理的再配置と軌を一にしており、今後も類似した公民連携が各国で進むとみられる。
※ 本ページは公開情報(Nation Thailand報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。