スイスに本社を置く血漿由来製品の大手メーカー、Octapharmaは2026年7月、米国サウスカロライナ州に総額15億ドル規模の大型製造施設を建設すると発表した。Contract Pharmaが報じた。血漿由来の凝固因子製剤や免疫グロブリン製剤などの生産能力を米国内で大幅に拡充することが狙いで、近年高まる血漿製品の需要増と安定供給体制の強化を背景とした戦略的投資と位置づけられる。
血漿由来製品とはどのような医薬品か
血漿由来医薬品は、健康なドナーから採取した血漿を原料に、アルブミン、免疫グロブリン(IgG)、凝固因子(第VIII因子・第IX因子など)、アルファ1プロテアーゼインヒビターといったタンパク質を分画・精製して製造される。希少疾患の治療に不可欠なものが多く、代替製品への置き換えが難しいことから、安定した製造供給体制の構築が業界全体の課題となっている。製造プロセスはコールドエタノール分画法を基本とし、ウイルス不活化・除去工程を含む複数の精製ステップが必要で、大規模施設での生産が標準となっている。
米国内製造拡充の潮流と今回の意義
近年、医薬品サプライチェーンの強靭化を求める政策的要請を背景に、製薬大手が米国国内に製造拠点を新設・拡充する動きが相次いでいる。Octapharmaの今回の投資もこの流れに沿ったものと見られ、15億ドルという規模はバイオ・血漿製品分野における単一拠点への投資としては大型の部類に入る。施設が稼働すれば、地域の雇用創出効果とともに、米国における血漿製品の安定供給に大きく貢献することが期待される。血漿分画製造は高度な設備と品質管理体制を要するため、建設から本格稼働まで数年単位の期間を要することが一般的で、今後の進捗が注目される。
※ 本ページは公開情報(Contract Pharma報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。