細胞処理サービスを提供するOrganaBioが、カリフォルニア州サンディエゴに新たな細胞処理拠点を開設した。同拠点では末梢血単核球(PBMC)の分離と凍結保存を採血後4時間以内に完了できるとしており、細胞・遺伝子治療(CGT)の製造に欠かせない出発材料の品質と供給安定性を高めることを目指している。
PBMCが「出発材料」として果たす役割
PBMCは、CAR-T細胞療法をはじめとする自家・同種細胞治療の製造において根幹をなす出発材料だ。患者または健常ドナーから採血したのち、密度勾配遠心法などでリンパ球・単球を分離し、速やかに凍結保存することで品質を保つ必要がある。採血から処理開始までの時間が長くなると細胞の生存率や機能が低下し、最終製品の品質に直接影響する。従来は処理施設が限られた地域にしかなく、長距離輸送が品質劣化リスクと物流コストをともに押し上げる問題が指摘されてきた。
「地域密着」モデルがCGT製造のボトルネックを解消する
OrganaBioのサンディエゴ拠点は、採血施設や医療機関の近くに処理能力を分散配置するという「地域密着型」モデルを体現している。同社によれば、採血から4時間以内の処理という速度は、PBMCの品質指標である生存率・細胞組成の均一性に好影響をもたらす。さらに、地域拠点が増えることで長距離輸送に伴うコールドチェーンリスクを低減し、サプライチェーン全体の信頼性を高める効果も期待される。自家細胞治療の製造では患者ごとに採材から製品化までのスケジュール管理が複雑であり、地域での迅速な処理が物流の単純化とリードタイム短縮につながる点は、商業化フェーズに移行するCGTメーカーにとって見逃せないメリットといえる。
※ 本ページは公開情報(GEN(Genetic Engineering and Biotechnology News)報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。