ウイルスベクター製造の専業CDMOとして知られるOxford Biomedica(OXB)は2026年7月16日、希少遺伝子疾患の治療法を開発するPlowshare TherapiesのAAV(アデノ随伴ウイルス)ベース遺伝子治療プログラムを対象に、GMP製造パートナーとして選定されたと発表した。契約はプロセス開発とAAVのGMP製造が対象で、米ノースカロライナ州ダーラムの商業規模のウイルスベクター施設で実施する。Plowshareのパイプラインが進めば、追加プログラムや後期段階の製造も支援できるとしている。
AAVベクター製造CDMOの戦略的役割
アデノ随伴ウイルスを使った遺伝子治療は、希少疾患から眼疾患、神経疾患まで幅広い適応領域で臨床開発が進んでいる。しかし、AAVベクターの製造は技術的難度が高く、ベクターゲノム力価(vg/mL)を高い水準で安定確保しながら、空粒子比率を低減させることが求められる。また、GMP規制に準拠した製造プロセスの確立と品質管理体制の整備には大規模な設備投資と専門人材が必要であるため、多くの開発企業が外部のCDMOへの委託を選択している。
OXBはレンチウイルスベクター製造で長年の実績を持ち、近年はAAV製造能力の整備も進めてきた。製造期間の短縮やプロセス開発の標準化を志向し、開発初期から商用スケールまでを一気通貫で対応できる体制の構築が、CDMOとして競合他社との差別化につながっている。遺伝子治療分野では、一過性トランスフェクション法と安定産生株を使う方式の双方で製造の工業化が課題とされており、上流の発現系の選択から下流精製、充填・仕上げ(フィル&フィニッシュ)に至る全工程をカバーできるCDMOへの需要は今後も増大する見込みだ。
Plowshare Therapiesのプログラム詳細は現時点の発表内容からは把握できないが、OXBが持つAAV製造基盤と規制当局対応の経験を活用し、プログラム推進の加速が期待される。遺伝子治療CDMOのエコシステムは急速に成熟しており、製造パートナー選定の巧拙がプログラム全体の成否を左右する時代に入っている。
※ 本ページは公開情報(The Manila Times報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。