クイーンズランド州政府は2026年7月7日、総額1億8,060万豪ドルのSovereign Industry Development Fund(SIDF)から300万豪ドルを、QIMR Berghofer医学研究所に助成すると発表した。使い道はウイルスベクターの製造設備の新設で、GMP対応のバイオリアクターと下流精製の工程を備える。細胞・遺伝子治療の原料となるベクターを州内で作れるようにし、海外のサプライチェーンへの依存を減らすのが狙いだ。
Q-Genを拡張するNextGen計画
設備が入るのは、TGA(豪州の医薬品規制当局)の認可を受けた先進治療の製造施設「Q-Gen」です。助成金は、この施設を改修して広げるQIMR Berghoferの「NextGen」計画の一部に使われます。州政府は、ウイルスベクターを国内で製造する能力が欠けている点を、自国で埋めるべき不足(sovereign capability gap)と位置づけています。豪Industry Updateは翌8日、この助成を細胞・遺伝子治療の国内製造能力の拡充に向けた300万豪ドルとして報じました。
雇用は建設期に22人、稼働後に14人を見込み、のちの段階では100人超に広がる可能性があるとしています。
6月に発表した細胞製造側の助成
州政府は6月19日にも、同じ基金からニュージーランド発のBioOraに770万豪ドルを助成すると発表しています。ブリスベンのENTRIにCAR-T細胞の自動化製造設備を置く案件で、稼働は2028年の予定、雇用は72人と見込まれています。細胞を作る設備と、その原料のベクターを作る設備に、同じ基金が続けて資金を出した形です。ベクターを外部に委託するときの確認点は、ウイルスベクターCDMOの選び方で整理しています。
※ 本ページは公開情報(クイーンズランド州政府の発表とIndustry Update報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。助成の条件や設備の詳細は一次情報もあわせてご確認ください。