細胞培養消耗品・培地を手がけるRoosterBioと、幹細胞工学ソリューションプロバイダーのApplied StemCellが、スケーラブルなiPSC(人工多能性幹細胞)由来細胞のバイオプロセスソリューションを共同で開発・推進するパートナーシップを締結した。両社はそれぞれの強みを持ち寄り、iPSC由来細胞の製造工程における標準化とスケールアップの加速を図る。
iPSC製造が直面するスケールアップの壁
iPSCは理論上は無限に増殖でき、さまざまな細胞型に分化誘導できるため、次世代細胞治療の原料細胞として大きな期待を集めている。しかし、商業スケールの製造には解決すべき課題が山積している。iPSCは三次元凝集塊(スフェロイド)を形成しやすく、撹拌型バイオリアクター内での均質な培養が難しい。また、分化誘導の各ステップで培地組成や物理化学的条件を精密に制御する必要があり、スケールアップ時に小スケールで確立したプロセスパラメータが維持されないケースも多い。さらに、出発細胞であるiPSCの品質(核型安定性・多能性マーカーなど)が最終製品の品質に直結するため、細胞バンクの品質管理と製造工程の一貫性が極めて重要となる。
製造プラットフォームの統合がカギ
今回の提携は、原料となるiPSCの品質保証とバイオプロセス消耗品・培地の最適化を一体的に推進する点が特徴だ。iPSC由来細胞療法が臨床段階から商業化へと移行するにあたり、製造プロセスの標準化と再現性の確保は規制当局との対話においても不可欠な要素となる。RoosterBioが持つスケーラブルな細胞培養基盤とApplied StemCellの幹細胞工学知識の融合は、業界全体が直面する「iPSCを誰でも・どこでも・大量に作れる」という命題に対する一つの回答として位置付けられる。
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