島津製作所は2026年7月に開催された第74回米国質量分析学会(ASMS 2026)において、製薬・バイオ分野を対象とした最新の質量分析ソリューションおよび関連研究成果を発表・展示した。国内有数の分析機器メーカーである島津製作所にとって、ASMSは世界的な発信の場として重要な位置を占める。
質量分析が担うバイオ医薬品QCの役割
質量分析(MS)はタンパク質や核酸の同定・定量・翻訳後修飾解析などに幅広く利用され、モノクローナル抗体やADC(抗体薬物複合体)などのバイオ医薬品の品質管理においても中核的な分析手段として確立されている。近年は液体クロマトグラフィーとの連結(LC-MS)に加え、イオントラップやOrbitrapなど高分解能検出器との組み合わせにより、複雑な生体分子の構造確認やバイオシミラーの分析一致性試験にも応用が広がっている。
また、ADCの薬物抗体比(DAR)分析やオリゴヌクレオチドの配列確認、さらにはMAM(多属性モニタリング)と呼ばれる複数品質属性の一括分析手法でも質量分析は欠かせないツールとなっている。
ASMSでのアピールが意味するもの
ASMSは質量分析を専門とする世界最大規模の学術学会であり、製薬・バイオ分野の最新アプリケーションが多数発表される舞台でもある。島津製作所が同学会で製薬・バイオ向けのソリューションを積極的に訴求することは、グローバル市場での認知度向上と新規顧客獲得を目指す戦略の一環と見られる。国産分析機器メーカーとして、バイオ医薬品のQC現場や創薬研究所での採用拡大を視野に入れた取り組みが続いている。今後も規制対応を含めたバイオ分析の高度化ニーズに応えるソリューション強化が期待される。
※ 本ページは公開情報(shimadzu.co.jp報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。