カナダ発のスタートアップTraferox Technologiesは2026年7月22日、体外肺灌流(Ex Vivo Lung Perfusion:EVLP)装置「TorEx Lung Perfusion System」に対してFDAの市販前承認(Premarket Approval:PMA)を取得したと発表した。PMAは医療機器の中でも最も厳格な審査区分であり、生命維持または重大なリスクを伴う高リスク機器に適用される。
体外肺灌流とは何か
EVLPは、ドナーから摘出した肺を体外で人工的に灌流・換気させながら評価し、必要であれば機能を改善(蘇生)させる技術だ。従来、移植に使用できる肺は全ドナー肺の20〜30%程度に限られていたが、EVLPを用いることで従来なら使用困難と判断されていた「辺縁肺」も評価・改善の上で移植に供せる可能性が広がる。この技術は肺移植の絶対的なボトルネックであるドナー不足の解消策として世界的に注目されており、既に臨床現場での活用事例が蓄積されている。
製造・品質管理との接点
EVLPシステムは精密な灌流液の調製・温度管理・気道圧管理を要するため、装置の信頼性と品質管理が極めて重要だ。灌流液にはデキストラン・タンパク質・電解質等が含まれ、その処方や無菌性の担保は製薬・バイオ製造に通じる課題でもある。TorExがPMAを取得したことで、米国の移植センターが同システムを正式に採用する道が開かれた。新興企業が臓器灌流という高度に規制された領域で最難関の承認を獲得した点は、業界内でも注目に値するマイルストーンといえる。
※ 本ページは公開情報(GlobeNewswire報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。