米国上院で、民主党のElizabeth Warren議員、共和党のRick Scott議員、民主党のKirsten Gillibrand議員の3名が、2026年7月15日に法案(S.4987、Pharmaceutical Investment Oversight and Accountability Act)を提出した。連邦取引委員会(FTC)と財務省に、米国の医薬品製造とサプライチェーンに対する外国投資や外国製造への依存の影響を調べて報告させる内容で、規制を直接強化するものではない。
医薬品製造サプライチェーンの国家安全保障リスク
近年、米国では医薬品の原薬(API)や中間体の多くをインドや中国などの外国企業に依存していることへの懸念が高まっている。特に新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、サプライチェーンの断絶が医療安全保障に直結するリスクが広く認識されるようになった。こうした背景から、製造拠点の国内回帰(リショアリング)や調達先の多角化を促す政策的な議論が活発化している。
一般的に、製薬業界のサプライチェーンはグローバルに分散しており、原薬製造から製剤・充填・包装まで、複数の国・企業にまたがる複雑な構造を持つ。そのため、特定の外国企業が米国の医薬品供給に占める割合やリスクを把握すること自体が難しく、まず可視化の仕組みが必要という考え方は合理的だ。
規制の方向性と製造業界への影響
今回の法案が成立すれば、FTCと財務省の報告を通じて、外国投資が米国の医薬品製造能力に与える影響や、外国製造への依存度が議会と政策当局に示される。報告の対象にはDNAシークエンシングや保管技術への外国投資も含まれる。企業に直接の開示義務を課す内容ではなく、成立後の政策判断の材料になる位置づけだ。製造サプライチェーンの透明性確保は、規制環境の変化として引き続き注視が必要だ。
※ 本ページは公開情報(Fierce Pharma報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。