抗体フラグメントの初段キャプチャー
Fab・scFv・Fab2など非Fc分子を清澄化液からワンステップで捕捉し、HCP・DNA・培地成分の大半を除去する。
- Protein Lでκ陽性フラグメントを選択捕捉
- Protein GでFab/IgGを捕捉
- 後段ポリッシュの負荷を軽減
Protein L/Gアフィニティレジンは、Fcを持たない抗体フラグメント(Fab・scFv)を捕捉するためのアフィニティクロマトグラフィー担体。Protein Lは軽鎖の可変領域(κ鎖)に、Protein GはFabやIgGに結合する。Protein Aが効かない非Fc分子の初段キャプチャーで、清澄化液から目的分子を選択的に捕える。
Protein Lは細菌(Peptostreptococcus magnus)由来のタンパク質で、免疫グロブリンκ軽鎖の可変領域に結合する。重鎖を介さないため、Fab・scFv・Fab2など、Fcを欠く抗体フラグメントを選択的に捕捉できる。一方Protein G(Streptococcus由来)はFcに加えFabにも結合し、IgGやFab領域を含む分子の捕捉に使う。いずれもProtein Aで捕まえられない分子のキャプチャー手段として、ダウンストリームの初段に置かれる。
選定軸はProtein Aレジンと共通する部分が多く、動的結合容量(DBC)、アルカリ耐性(CIPでのNaOH濃度)、リガンドリーク、ベースマトリックスと圧力特性、寿命サイクル数が中心になる。加えてProtein Lでは「結合がκ軽鎖依存」という制約が決定的で、対象分子がκかλか、可変領域のサブグループがProtein Lの結合範囲に入るかを事前に確認する必要がある。λ鎖のみの分子は捕捉できない。
工程設計では、Protein Aと同様に低pH溶出(おおむねpH2.5〜3.5)を用いるため、フラグメントの酸耐性・凝集挙動を確認する。製造用レジンの多くはアルカリ安定化リガンドを採用し、NaOHでのCIP/サニタイズに耐えるが、Protein A品ほどリガンド改良が進んでいない場合もあり、許容NaOH濃度はカタログで個別に確認する。フラグメントは品種ごとに結合特性が振れやすく、Protein Aほど完全なプラットフォーム化は難しい点に留意する。
充填済みカラムまたは自社充填カラムを用い、平衡化からCIPまでを1サイクルとして運用する。各ステップは滞留時間(線流速)とカラム体積(CV)で管理する。
Fcを持たない、あるいはProtein Aの効きが弱い分子のキャプチャー工程で使う。
Fab・scFv・Fab2など非Fc分子を清澄化液からワンステップで捕捉し、HCP・DNA・培地成分の大半を除去する。
Fc欠失や低親和性でProtein Aが使えない分子に対し、軽鎖・Fab依存のリガンドで捕捉手段を確保する。
発現スクリーニングや力価測定の前処理として、フラグメントを小スケールで捕捉・濃縮する。
抗体フラグメントや非Fc分子を扱うモダリティで関連度が高い。