アフィニティクロマトグラフィー

Protein L/Gアフィニティレジン

Protein L/Gアフィニティレジンは、Fcを持たない抗体フラグメント(Fab・scFv)を捕捉するためのアフィニティクロマトグラフィー担体。Protein Lは軽鎖の可変領域(κ鎖)に、Protein GはFabやIgGに結合する。Protein Aが効かない非Fc分子の初段キャプチャーで、清澄化液から目的分子を選択的に捕える。

フラグメント捕捉Fab/scFvκ軽鎖Protein A代替CIP(NaOH)
分類
アフィニティクロマトグラフィー
主な用途
フラグメント捕捉 / Fab/scFv / κ軽鎖 / Protein A代替 / CIP(NaOH)
関連モダリティ
抗体フラグメント(Fab/scFv) / 二重特異性・改変抗体 / モノクローナル抗体(IgG) / 抗体薬物複合体(ADC)
代表メーカー
Cytiva・Thermo Fisher Scientific・Purolite (Ecolab)・Tosoh Bioscience ほか計6社
関連キーワード
精製 / アフィニティクロマトグラフィー / 抗体フラグメント / Fab / scFv / キャプチャー

用途・特徴

Protein Lは細菌(Peptostreptococcus magnus)由来のタンパク質で、免疫グロブリンκ軽鎖の可変領域に結合する。重鎖を介さないため、Fab・scFv・Fab2など、Fcを欠く抗体フラグメントを選択的に捕捉できる。一方Protein G(Streptococcus由来)はFcに加えFabにも結合し、IgGやFab領域を含む分子の捕捉に使う。いずれもProtein Aで捕まえられない分子のキャプチャー手段として、ダウンストリームの初段に置かれる。

選定軸はProtein Aレジンと共通する部分が多く、動的結合容量(DBC)、アルカリ耐性(CIPでのNaOH濃度)、リガンドリーク、ベースマトリックスと圧力特性、寿命サイクル数が中心になる。加えてProtein Lでは「結合がκ軽鎖依存」という制約が決定的で、対象分子がκかλか、可変領域のサブグループがProtein Lの結合範囲に入るかを事前に確認する必要がある。λ鎖のみの分子は捕捉できない。

工程設計では、Protein Aと同様に低pH溶出(おおむねpH2.5〜3.5)を用いるため、フラグメントの酸耐性・凝集挙動を確認する。製造用レジンの多くはアルカリ安定化リガンドを採用し、NaOHでのCIP/サニタイズに耐えるが、Protein A品ほどリガンド改良が進んでいない場合もあり、許容NaOH濃度はカタログで個別に確認する。フラグメントは品種ごとに結合特性が振れやすく、Protein Aほど完全なプラットフォーム化は難しい点に留意する。

Point
  • Protein Lはκ軽鎖の可変領域に結合し、Fab・scFvなどFcを持たない分子を捕捉
  • Protein GはFc/Fabに結合し、IgGやFab含有分子のキャプチャーに使う
  • Protein Aが効かない非Fc抗体フラグメントの初段精製を担う代替リガンド
  • Protein Lはκ鎖依存のため、λのみの分子や非結合サブグループは捕捉できない
  • DBC・アルカリ耐性・リガンドリーク・基材・寿命サイクルが主要な選定軸
  • 溶出は低pH(pH2.5〜3.5目安)。フラグメントの酸耐性・凝集を要確認
  • アルカリ安定化リガンド品はNaOH CIPに対応するが許容濃度は製品で個別確認
  • フラグメントは品種差が大きく、Protein Aほどのプラットフォーム化は難しい

使用方法

充填済みカラムまたは自社充填カラムを用い、平衡化からCIPまでを1サイクルとして運用する。各ステップは滞留時間(線流速)とカラム体積(CV)で管理する。

1平衡化
2清澄化ハーベスト液のロード(フラグメント捕捉)
3洗浄(非特異吸着・夾雑物の除去)
4低pH溶出(フラグメント回収)
5溶出画分の中和・後段移送
6再生・CIP(NaOH)/保存液置換
Protein Lは対象分子のκ軽鎖サブグループへの結合可否を事前に確認する。DBC・回収率・リガンドリークはサイクルを重ねると変化するため、ライフタイムスタディで許容サイクル数を決める。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)