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サーマルサイクラー

サーマルサイクラーは、PCR反応に必要な温度変化を自動で繰り返し、DNAを増幅する装置です。変性・アニーリング・伸長の温度サイクルを正確に制御し、目的のDNA配列を増幅します。通常PCR、マイコプラズマPCR、クローニング確認、Sanger/STR解析前処理などに使われます。

PCR増幅通常PCRグラジエントSanger/STR前処理

用途・特徴

サーマルサイクラーは、DNAを増幅する基本装置として幅広く使われます。細胞株開発では遺伝子導入確認・クローニング確認、セルバンクや品質確認ではマイコプラズマPCR・細胞同一性試験・STR解析・種特異的PCRなどの前処理に関係します。

GMP品質試験ではリアルタイムPCRも多く使われますが、通常PCRやSangerシーケンス、フラグメント解析を使う試験では、サーマルサイクラーが必要になります。

Point
  • PCR反応の温度サイクルを自動制御する装置
  • 通常PCR、RT-PCR、マルチプレックスPCR、グラジエントPCRなどに使われる
  • クローニング確認、遺伝子導入確認、STR解析、Sanger前処理に関係する
  • マイコプラズマPCRや細胞同一性試験でも使われる
  • グラジエント機能があるとPCR条件検討に使いやすい
  • 96ウェル、384ウェル、チューブ、ストリップ対応などの形式がある

使用方法

基本的には、DNAサンプル、プライマー、DNAポリメラーゼ、dNTP、バッファを混合し、サーマルサイクラーで温度サイクルを実行します。

1サンプルDNAを準備する
2プライマーを設計・準備する
3PCRマスターミックスを調製する
4チューブ/プレートに分注する
5変性・アニーリング・伸長の条件を設定する
6PCR反応を実行する
7電気泳動・シーケンス等で結果を確認する
実際の条件は、ターゲット配列、プライマー、酵素、テンプレート量、PCR産物サイズ、GC含量、アニーリング温度、サイクル数、グラジエント設定、検出方法によって変わります。

リアルタイムPCR装置との違いは?

どちらもPCRに使われますが、測定の考え方が異なります。

結論

サーマルサイクラーは「PCR産物を作る装置」、リアルタイムPCR装置は「PCRしながら測る装置」と考えるとわかりやすくなります。

主な役割

DNA増幅をリアルタイムに検出・定量する

DNAを増幅する

検出方法

反応中に蛍光シグナルを測定

反応後にゲル電気泳動やシーケンスで確認

定量性

高い

基本的に限定的

主な用途

マイコプラズマ、残存DNA、ウイルス核酸、遺伝子発現

通常PCR、クローニング確認、Sanger前処理、STR解析

装置構成

温度制御+蛍光検出光学系

温度制御ブロックが中心

グラジエントPCRとは?

項目内容
目的最適なアニーリング温度を探索する
使う場面新規プライマー、条件検討、非特異増幅の改善
メリット複数条件を一度に比較できる
注意点温度範囲、ブロック均一性、ウェル位置に注意
関連用途クローニング、遺伝子導入確認、Sanger前処理、PCR条件最適化

主なPCR用途

PCR用途内容向く場面
通常PCR目的DNAを増幅し、反応後に確認するクローニング確認、遺伝子確認
RT-PCRRNAを逆転写してcDNAを増幅する遺伝子発現確認、RNAウイルス確認
マルチプレックスPCR複数ターゲットを同時に増幅する汚染確認、遺伝子型判定
グラジエントPCR複数温度条件を同時に試す条件検討、プライマー最適化
コロニーPCRコロニーから直接PCRするクローニング確認、プラスミド確認
STR解析前PCR / Sanger前処理STR領域やシーケンス対象を増幅する細胞同一性試験、配列確認

選定ポイント

フォーマット96ウェル、384ウェル、チューブ、ストリップに対応するか
ブロック形式固定ブロックか、交換式ブロックか
温度均一性・精度ウェル間ばらつきが小さく、設定温度に正確に到達できるか
グラジエント機能アニーリング温度の条件検討に対応するか
接続性USB、LAN、Wi-Fi、リモート操作に対応するか
GMP/品質管理権限管理、ログ、校正、IQ/OQ対応の有無
サポート国内保守、点検、校正、消耗品供給体制

使用される工程

サーマルサイクラーは、PCR増幅が必要な工程で広く使われます。

細胞株開発・クローン選抜

遺伝子導入確認、クローニング確認、ターゲット配列確認に使われる。

主な用途
  • 導入確認

セルバンク

マイコプラズマPCR、細胞同一性試験、種特異的PCRに関係する。

主な用途
  • 同一性
  • 汚染確認

細胞同一性試験

STR解析、Sangerシーケンス、フラグメント解析前の増幅に使われる。

主な用途
  • STR前処理

プラスミド製造

コロニーPCR、プラスミド配列確認、インサート確認に使われる。

主な用途
  • コロニーPCR

遺伝子編集

編集部位のPCR増幅、Sanger確認、オフターゲット候補確認に使われる。

主な用途
  • 編集確認

品質評価・分析

PCRベースの確認試験、受託前処理、解析前サンプル調製に使われる。

主な用途
  • 前処理

使用されるモダリティー

サーマルサイクラーは、遺伝子操作や核酸確認が関係する多くのモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度中〜高
CHO細胞細胞株開発セルバンク確認
遺伝子導入確認、細胞同一性、マイコプラズマPCRに使われる。
ADC
関連度中〜高
抗体原薬用CHO細胞細胞株確認
抗体部分の製造細胞株確認で関係する。
二重特異性抗体
関連度中〜高
CHO細胞発現ベクター確認
基本的には抗体医薬と同様に使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度中〜高
CHOHEK293発現確認
産生細胞や遺伝子導入確認で使われる。
AAV
関連度
プラスミド確認Producer Cell確認
プラスミド構築、遺伝子確認、ウイルス関連PCRで使われる。
レンチウイルス
関連度
Packaging Cellベクター構築RCL確認
ベクター構築やウイルス関連確認に使われる。
プラスミドDNA
関連度
大腸菌クローニングインサート確認
コロニーPCR、配列確認前処理で使われる。
細胞治療
関連度
CAR導入細胞コピー確認同一性確認
遺伝子導入確認や安全性確認で使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度中〜高
遺伝子発現細胞同一性分化確認
PCRベースの品質確認に使われる。
遺伝子編集
関連度
CRISPR編集確認Sanger前処理
編集部位の増幅や配列確認に使われる。
微生物発酵
関連度
菌株確認プラスミド確認遺伝子確認
発酵菌株や遺伝子構築確認に使われる。

メーカー製品

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