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デジタルPCR装置

デジタルPCR装置は、核酸サンプルを多数の微小区画に分割し、各区画でPCRを行うことで核酸を高精度に絶対定量する装置です。区画ごとの陽性・陰性をポアソン統計で数えるため、標準曲線なしで定量しやすく、低コピー数や微小な差の検出、AAVゲノム力価などに強いことが特徴です。

絶対定量AAV力価ベクターコピー数低頻度変異

用途・特徴

デジタルPCR装置は、核酸を高感度かつ高精度に定量するために使われます。リアルタイムPCRよりも、微量核酸、低コピー数、希少変異、コピー数変化、ベクターコピー数、AAVゲノム力価などの測定に向いています。

AAV製造ではベクターゲノムの定量、細胞治療では遺伝子導入細胞のベクターコピー数や残存ウイルス関連試験、抗体医薬では残存DNAや細胞株コピー数確認などで使われる場合があります。

Point
  • 標準曲線なしで核酸の絶対定量ができる
  • 低コピー数や微小な差の検出に強い
  • AAVゲノム力価やベクターコピー数測定に使われる
  • 残存DNA、ウイルス核酸、低頻度変異、コピー数解析に使われる
  • リアルタイムPCRより高精度な定量が必要な場面で選ばれる
  • ドロップレット型、チップ型、ナノプレート型などがある

使用方法

基本的には、サンプルから核酸を抽出し、反応液を調製して、サンプルを微小区画に分割してPCR反応を行います。

1サンプルを採取し、核酸を抽出する
2必要に応じて逆転写を行う
3プライマー・プローブ・マスターミックスを調製する
4ドロップレット/チップ/ナノプレートに分割する
5PCR反応を行う
6各区画の蛍光シグナルを読み取る
7コピー数・濃度・変異率を算出する
実際の条件は、測定対象、サンプル前処理、区画化方式、プライマー・プローブ設計、装置方式、蛍光チャンネル数、解析ソフト、GMP対応、バリデーション要件によって変わります。

リアルタイムPCRとの違いは?

どちらも核酸定量に使われますが、定量方法が異なります。

結論

リアルタイムPCRは汎用的な核酸定量に向き、デジタルPCRはより高精度な絶対定量や希少なターゲットの検出に向きます。

定量方法

Ct値と標準曲線から推定

陽性/陰性区画数から絶対定量

標準曲線

基本的に必要

不要な場合が多い

感度

高い

非常に高い

精密性

良好

低コピー数や微小差に強い

主な用途

マイコプラズマ、残存DNA、遺伝子発現、工程管理

AAV力価、コピー数、低頻度変異、微量核酸

コスト

比較的導入しやすい

装置・消耗品コストが高め

ドロップレット型とチップ型の違い

項目ドロップレット型チップ型・ナノプレート型
区画化方式油中に多数の液滴を作るチップやプレート上の微小区画に分配する
代表例Droplet Digital PCRチップ型dPCR、ナノプレート型dPCR
強み多数の区画を作りやすいワークフローを統合しやすい
注意点ドロップレット作製・読み取り工程が必要専用チップ・プレートが必要
向く用途低頻度変異、コピー数、絶対定量QC、臨床研究、ワークフロー簡略化

主な測定対象

測定対象内容主な用途
AAVゲノム力価AAV中のベクターゲノムコピー数を測定するAAV品質評価、工程管理
ベクターコピー数細胞中に導入されたベクターコピー数を測定するCAR-T、レンチウイルス、遺伝子導入細胞
残存DNA宿主細胞由来DNAやプラスミドDNAを定量する抗体医薬、AAV、mRNA原料
コピー数変化遺伝子コピー数やCNVを解析する細胞株開発、遺伝子編集
低頻度変異少数の変異アリルを検出する腫瘍解析、遺伝子編集評価
ウイルス核酸ウイルス由来核酸を検出・定量するウイルス安全性、RCL/RCA確認

選定ポイント

区画化方式ドロップレット型、チップ型、ナノプレート型のどれか
区画数1反応あたりのパーティション数が十分か
蛍光チャンネルFAM、HEX、VIC、Cy5など必要な色素/マルチプレックスに対応するか
感度・精度低コピー数、低頻度変異、コピー数差を検出できるか
ワークフロー区画化、PCR、読み取り、解析がどこまで統合されているか
GMP対応監査証跡、ユーザー権限、電子署名、データ出力に対応するか
自動化分注装置、核酸抽出、LIMSとの連携が可能か

使用される工程

デジタルPCR装置は、高精度な核酸定量が必要な工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

導入遺伝子コピー数、クローン比較、遺伝子編集確認に使われる。

主な用途
  • コピー数

セルバンク

細胞同一性確認、ウイルス安全性試験、コピー数確認に関係する。

主な用途
  • 安全性確認

本培養・ハーベスト

AAV/レンチウイルスのゲノムコピー、未精製バルク中の核酸確認に関係する。

主な用途
  • ゲノムコピー

下流精製・UF/DF

残存DNA、ベクターゲノム、工程中間体の核酸定量に使われる。

主な用途
  • 残存DNA

品質評価・分析

AAVゲノム力価、VCN、残存DNA、低頻度変異、コピー数解析に使われる。

主な用途
  • AAV力価
  • VCN

GMP品質管理

規格試験、工程内管理、出荷試験、逸脱調査に使われる場合がある。

主な用途
  • 規格試験

使用されるモダリティー

デジタルPCR装置は、核酸定量が重要なモダリティーで特に使われます。

AAV
関連度
ゲノム力価残存DNARCA確認
AAV品質評価で重要な核酸定量装置として使われる。
レンチウイルス
関連度
ベクターコピー数RCL確認
細胞治療用ベクターの品質確認に使われる。
細胞治療
関連度
ベクターコピー数遺伝子導入確認残存ウイルス
CAR-Tなどの品質管理で使われる。
遺伝子編集
関連度
編集効率コピー数低頻度変異
CRISPR編集細胞の評価に使われる。
プラスミドDNA
関連度
コピー数残存宿主DNA
プラスミド製造や原材料品質評価に関係する。
抗体医薬
関連度中〜高
残存DNAコピー数確認
qPCRの補完として高精度定量に使われる場合がある。
ADC
関連度中〜高
CHO細胞残存DNA
抗体部分の製造細胞・品質確認で関係する。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度中〜高
産生細胞残存DNA
製造細胞や原薬の核酸定量に使われる。
mRNA-LNP
関連度中〜高
残存DNARNA関連評価
mRNA製造やLNP評価の周辺品質確認に関係する。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度中〜高
遺伝子編集確認コピー数
細胞品質確認や安全性評価で使われる。
ワクチン
関連度中〜高
ウイルス核酸細胞基材
品質試験や工程管理に関係する。

メーカー製品

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