検査試薬の QIAGEN(キアゲン) が、デジタルPCR(dPCR=1分子ずつ数える定量PCR) のプラットフォーム 「QIAcuity」 のキット・アッセイ群を拡張すると発表しました(2026年6月15日、オンラインイベント「QIAcuity Deep Dive」にて)。研究用途とバイオ医薬の品質管理(QC)の双方を狙う構成だと メーカーは説明しています。
遺伝子発現を「digital」で数える
中身は大きく2方向です。ひとつは 遺伝子発現解析 をdPCRに取り込む動き。1反応で最大12のRNA標的 を同時に測る高多重キット(OneStep High Multiplex Probe PCR Kit)や、ヒト・マウス・ラット向けの遺伝子発現アッセイを順次そろえるとしています。発現量を相対比較ではなく絶対量で押さえられるのがdPCRの強みで、核酸医薬・遺伝子の品質試験とも地続きの領域です(標的数などの数値はメーカー主張)。
残存DNAは「量」だけでなく「断片長」も
もうひとつが、バイオ医薬の品質管理に直結する 残存DNA(製造に使った細胞由来のDNA) の試験拡大です。Sf9/バキュロウイルス、Pichia、Vero、マウスといった各製造細胞系へ対応を広げ、さらに HEK293向けに「濃度」と「断片長の分布」を同時に測る サイジングキットを追加。残存DNAは、量だけでなく『どれくらいの長さで残っているか』が安全性評価で問われるため、残存DNA定量に断片長の視点を足す形です。研究室の道具だったdPCRを、細胞・遺伝子治療の規制対応まで広げる狙いがうかがえます。