クロマトグラフィー装置

連続クロマトグラフィー装置(MCC/PCC)

連続クロマトグラフィー装置は、複数カラムを連続・周期的な向流で運転し、樹脂の利用率と時間あたり生産性を高める精製システムです。PCC・SMB・MCC(BioSC/Contichrom)などの方式があり、1本が破過し始めた分を後続カラムで捕捉することで、同じ処理量をより少ない樹脂量・緩衝液量・設置面積で達成します。プロテインA捕捉をはじめ、プロセス強化と連続生産を支える中核装置として位置づけられます。

連続・向流運転PCC/SMB/MCC樹脂利用率向上プロセス強化連続生産
分類
クロマトグラフィー装置
主な用途
連続・向流運転 / PCC/SMB/MCC / 樹脂利用率向上 / プロセス強化 / 連続生産
関連モダリティ
抗体医薬 / Fc融合・組換えタンパク質 / 二重特異性抗体 / 微生物発酵・低分子 / ワクチン・組換え抗原
代表メーカー
Cytiva・Sartorius・Pall・YMC ほか計6社
関連キーワード
連続クロマトグラフィー / PCC / SMB / マルチカラムクロマト / プロセス強化 / 連続生産

用途・特徴

連続クロマトグラフィー装置は、2本以上のカラムを周期的に切り替えながら向流で運転し、1本のカラムが破過し始めた分を後続カラムで捕捉することで、樹脂の動的結合容量を最後まで使い切る精製装置です。単カラムのバッチ運転では破過を避けて安全側で負荷を止めるため樹脂と緩衝液に余裕を持たせますが、連続方式では小型カラムを高頻度で回し、同じ処理量をより少ない樹脂量・緩衝液量・設置面積で達成します。プロセス強化(intensification)と連続生産の中核装置と位置づけられます。

選定の第一軸は方式です。プロテインA捕捉のような単一の親和工程を連続化するならPCC(Periodic Counter-Current、通常3〜4カラム)が中心で、塩や有機溶媒の二成分分離・連続精製にはSMB(擬似移動層)や、勾配運転と多カラム捕捉/ポリッシュを柔軟に組めるBioSC/Contichrom型のMCCが向きます。第二軸はカラム本数とバルブ系の自由度、第三軸は流路形態(ステンレス再使用かシングルユースか)と耐圧・流量域、第四軸はサイクル設計を支える制御ソフトとPATによるUV連動の自動切替能力です。

工程設計では、まず単カラムで破過曲線(DBC)と溶出プロファイルを取得し、これを基に各ゾーンの滞留時間・切替容量・カラム数を決めます。捕捉工程ではUVの破過しきい値で次カラムへ負荷を渡し、ポリッシュ/SMBでは抽残液・抽出液の純度と収率がトレードオフになるよう流量比を最適化します。連続化は緩衝液・樹脂コスト削減効果が大きい高負荷・高価樹脂の工程ほど効きやすく、まずバッチで条件を固めてから連続パラメータへ移すのが定石です。

Point
  • 複数カラムを周期的・向流で運転し樹脂を破過まで使い切る
  • PCC・SMB・MCC(BioSC/Contichrom型)など方式で構成が分かれる
  • 同じ処理量を少ない樹脂量・緩衝液量・設置面積で達成する
  • プロテインA等の高価樹脂を使う捕捉工程で削減効果が大きい
  • UV破過しきい値に連動した自動カラム切替で運転する
  • 単カラムの破過曲線(DBC)からサイクル設計を行う
  • ステンレス再使用とシングルユース流路の両系統がある
  • 連続生産・プロセス強化(intensification)の中核装置となる

使用方法

基本的には、単カラムで破過曲線と溶出条件を把握したうえで、各ゾーンの切替容量とカラム本数を設計し、UV破過しきい値に連動させて複数カラムを連続運転します。

1方式(PCC/SMB/MCC)と処理量から装置を選ぶ
2単カラムで破過曲線(DBC)と溶出を取得する
3切替容量・カラム本数・流量比を設計する
4カラム・バルブ・流路を接続し平衡化する
5UVしきい値に連動して連続運転を開始する
6収率・純度・生産性を評価し条件を最適化する
実際の運転条件は、方式(PCC/SMB/BioSC/MCC)、対象樹脂(プロテインA・イオン交換・マルチモード等)、分離モード(捕捉かポリッシュか)、破過プロファイル、滞留時間、カラム径・床高、流路形態(ステンレスかシングルユースか)、GMP要件によって変わります。カラム本数・バルブ構成・耐圧・流量域・最小切替容量・制御ソフトのPAT連動性は事前に確認します。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)