精製大手の MilliporeSigma(メルクのライフサイエンス事業、Merck KGaA) が、JSR Life Sciences のクロマトグラフィー事業 の買収を完了したと発表しました(2026年4月1日)。これにより、抗体精製の中核を担う Amsphere Protein A樹脂(A3/A+) と、ベルギーを拠点とする 50名超 の技術チームが、同社の ダウンストリーム(精製)ポートフォリオ に統合されます。2025年10月の合意発表時に示した「2026年第2四半期に完了見込み」という予定どおりのクロージングです。
なぜ効く — Protein Aは抗体精製の「関所」
Protein Aによるアフィニティ精製は、モノクローナル抗体(mAb)の製造で必ず通る捕捉(キャプチャー)工程で、コストと品質を左右する関所です。そのProtein A樹脂を供給してきたAmsphere系が大手のMilliporeSigmaに取り込まれることで、樹脂の供給構図とダウンストリームの調達の選択肢 に影響しうる——というのが、この再編のポイントです。
統合のねらい
同社は、開発から商用スケールまでを通した精製ワークフローの強化を狙いとして説明しています。Process Solutions責任者は「顧客がバイオ医薬をより速く・効率的にスケールさせようとしている局面で、ダウンストリーム精製の能力を広げる買収だ」とコメント(メーカー表現)。連続キャプチャーのように樹脂を使い切る運転を含め、クロマトグラフィーまわりの選択肢がどう動くかが、調達側の関心どころになります。