酵素・試薬

ヌクレアーゼ(ベンゾナーゼ等)

ヌクレアーゼ(ベンゾナーゼ等)は、宿主細胞や原料由来のDNA・RNAを切断して低分子化するエンドヌクレアーゼです。ウイルスベクターやmRNA、プラスミドDNAの製造で、細胞溶解後や清澄化前に添加し、残存核酸の低減と粘度低下、ろ過性改善に使われます。GMP製造では添加量・反応条件の管理と、後工程での残存酵素・残存DNAの除去確認が論点になります。

残存核酸低減エンドヌクレアーゼMg2+要求GMPグレード残存酵素管理
分類
酵素・試薬
主な用途
残存核酸低減 / エンドヌクレアーゼ / Mg2+要求 / GMPグレード / 残存酵素管理
関連モダリティ
AAV / レンチウイルス / プラスミドDNA / mRNA-LNP / ワクチン
代表メーカー
Merck (Millipore Sigma)・Thermo Fisher Scientific・c-LEcta・Roche Custom Biotech ほか計6社
関連キーワード
残存DNA / 精製 / 核酸医薬 / AAV / プラスミドDNA / 宿主細胞タンパク質

用途・特徴

ヌクレアーゼは二本鎖・一本鎖DNAおよびRNAを非特異的に切断するエンドヌクレアーゼで、代表例のベンゾナーゼは核酸を3〜8塩基程度のオリゴヌクレオチドまで分解します。多くがMg2+依存性で、至適pHは概ね中性〜弱アルカリ、活性はEC高純度品やGMPグレードなどの等級で提供されます。Serratia marcescens由来の組換え型が広く使われます。

選定軸は、製品の純度・規制対応(GMP/動物由来成分フリー/エンドトキシン規格)、活性単位あたりの価格、後工程での除去性です。残存酵素は宿主細胞タンパク質(HCP)として管理対象になるため、メーカーが残存酵素ELISAを提供しているか、クロマトやTFFで除去できるかを確認します。代替としてMg2+非依存型や耐塩性の高い改良型ヌクレアーゼもあります。

工程設計では、溶解液の塩濃度・キレート剤(EDTAは活性を阻害)・温度・反応時間を最適化し、必要な残存DNA低減(多くはqPCRで規格化)を達成します。添加位置は細胞溶解直後やハーベスト後が一般的で、反応後はAEXやアフィニティ、限外ろ過などで分解産物と酵素自体を除去します。

Point
  • DNA・RNAを非特異的に切断する非特異的エンドヌクレアーゼ
  • ベンゾナーゼが代表例でオリゴヌクレオチドまで分解する
  • 残存宿主核酸の低減と粘度低下・ろ過性改善に使う
  • 多くはMg2+依存性でEDTA等のキレート剤で阻害される
  • GMPグレード・動物由来成分フリー・エンドトキシン規格品がある
  • 残存酵素はHCPとして管理し後工程で除去・確認する
  • 残存DNA低減効果はqPCR等で評価・規格化される
  • AEX・アフィニティ・TFFで分解核酸と酵素を除去する

使用方法

基本的には、細胞溶解後やハーベスト後の工程液に既定濃度で添加し、Mg2+存在下で反応させて核酸を分解した後、後工程で分解産物と酵素を除去します。

1溶解液の塩濃度・pH・キレート剤を確認し反応条件を整える
2必要に応じてMgCl2を補い規定の活性単位で添加する
3設定温度・時間で核酸を分解させる
4清澄化・ろ過で細胞デブリと分解産物を除く
5クロマト・TFFで残存酵素と核酸断片を除去する
6残存DNA・残存酵素をqPCR/ELISAで確認する
実際の条件は、対象モダリティー、溶解液組成、目標残存DNA量、酵素グレード、GMP要件、後工程の除去能によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)