抗体医薬研究・創薬スクリーニング

創薬の標的選定と疾患仮説:どのメカニズムを狙うか

ある炎症性疾患で、患者の病変部位を調べたらタンパク質Xの発現が明らかに高かった——研究の現場では、しばしばこうした一枚の図から話が始まります。「ここまで上がっているのだから、Xを抑えれば効くはずだ」。もっともらしい流れです。ところが、いざXを中和する分子標的の働きを実際に打ち消す分子で、多くは機能に直結する部位に結合する。を作って試すと、動物モデルでも臨床でも思うように病態が動かない。こうした行き止まりは決して珍しくありません。発現目的タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で転写・翻訳させ、機能的なタンパク質として産生させる工程。が高かったのは病態の原因ではなく、炎症に伴う二次的な結果だった——つまり、狙う相手を見誤っていたのです。

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創薬の標的選定と疾患仮説:どのメカニズムを狙うか

このつまずきは、創薬の一番はじめにある問いの難しさを物語っています。「どのメカニズムを狙うか」。ある病気を治すために、体内のどのタンパク質を、どの遺伝子を、あるいはどの細胞を動かせば病態が変わるのか。この見立てが標的選定疾患を治すために介入すべき分子や細胞(標的)を選ぶ、創薬の最初の工程。であり、その根拠となる考えが疾患仮説ある標的に介入すれば病態が変わると考える根拠となる、疾患メカニズムの見立て。です。ここでの選択は後の全工程を規定します。標的が正しければ多少の技術的困難は乗り越えられますが、標的そのものが病態を左右していなければ、どれほど精緻な分子を作っても臨床では効きません。

しかも「狙いたい」だけでは足りません。抗体医薬は原則として細胞の外や膜の表面にあるタンパク質しか捉えられませんが、核酸医薬(siRNA・ASO)や遺伝子治療は細胞内のタンパク質やRNA、遺伝子そのものにも手が届きます。狙いたいメカニズムが決まっても、それが「どのモダリティで狙えるか」を同時に問わなければ、実装できない仮説を追いかけることになりかねません。標的バリデーション選んだ標的への介入が本当に病態を動かすかを、複数の独立した証拠で確かめる作業。、ヒト遺伝学によるエビデンス、モダリティ抗体・低分子・核酸・細胞治療など、医薬品の種類・創薬手法の区分。ごとに狙える標的の違い、必須遺伝子生存や基本機能に不可欠な遺伝子。強く抑える介入は重い毒性を招きうるため標的として慎重に扱う。やオフ組織といった安全性の懸念——冒頭のXのような取り違えは、こうした問いのどれか一つを飛ばしたときに起きます。抗体・ADC・mRNA・AAV・核酸・細胞治療生きた細胞そのものを有効成分とする医薬。CAR-Tなどが代表。のどれを選ぶにしても、まず問われるのは分子の精緻さではなく、その標的が本当に病態を握っているのかという一点なのです。

この記事の要点
  • 創薬の標的選定では、発現が高いだけでは標的にならず、機能実験やヒト遺伝学で因果の確度を上げることが要になります。
  • 確度の高い標的でも、その在り処にモダリティが届くかを、druggabilityとして標的とモダリティのペアで評価します。
  • 必須性やオフ組織といった安全性の懸念を標的選定の段階で織り込み、後工程のリスクを前もって減らします。

「標的」と「疾患仮説」は別のもの

先ほどのタンパク質Xの例に戻ると、混乱の一因は「標的」と「疾患仮説」を一括りにしていた点にあります。この二つは分けて捉える必要があります。標的とは、そこに介入すれば病態が変わると見込まれる分子や細胞のこと。疾患仮説は、その介入が効くと考える理由です。「この病気ではタンパク質Xが過剰に働いていて、それが症状を引き起こしている」という因果の見立てが疾患仮説であり、そこから標的が導かれます。

標的になりうるものは、一つの分子種に限りません。実際には次のような広がりで考えられます。

  • タンパク質標的:受容体、酵素、シグナル伝達分子、サイトカイン細胞が放出する免疫の情報伝達物質。細胞治療では効果と安全性のリードアウトになる。など。低分子や抗体が主に狙う対象です。
  • 核酸標的:特定のメッセンジャーRNA(mRNA)や、病因となる遺伝子の転写産物。核酸医薬siRNAやASOなど核酸を用い、標的mRNAを分解・抑制して効かせる医薬。が配列相補性で狙います。
  • 遺伝子標的:欠損・変異した遺伝子そのもの。遺伝子治療が正常な遺伝子の補充や配列の修復で介入します。
  • 細胞標的:がん細胞など、除去や改変の対象となる細胞集団。細胞治療(CAR-T患者や健常ドナーのT細胞にCAR(キメラ抗原受容体)を導入し、がん細胞を攻撃させる細胞治療。 など)が狙います。

同じ疾患仮説でも、介入する分子種を変えれば標的も変わります。「あるサイトカインが炎症を駆動している」という仮説一つとっても、そのサイトカインタンパク質を中和低pH条件で溶出されたサンプルに緩衝液を加えてpHを中性付近に戻し、製品へのダメージを防ぐ操作。する抗体を作ることも、そのサイトカインをコードするmRNAを分解する核酸医薬を作ることもできます。どこに介入点を置くかがモダリティ選択と直結するため、標的選定は「分子種+介入様式」の組み合わせとして考えるのが実務的です。モダリティの選び方そのものはモダリティ選択の考え方で扱っています。

発現が高いだけでは標的にならない

冒頭のXが行き止まりだったのは、発現が高いことと標的として機能することを取り違えたからでした。病変部位でXの発現が上がっていても、それが病態の原因なのか、単なる結果なのかは、発現データだけでは区別できません。この落とし穴を避ける作業が標的バリデーション試験法が目的に合う性能を持つことを立証する妥当性確認。正確さ・精度などを評価する。です。その標的に介入すれば狙った疾患方向へ病態が動く、という因果の確からしさを、一つの証拠で決めずに複数の独立した証拠で積み上げていきます。

証拠は、おおむね次のような層で集められます。それぞれ強みと限界が異なるため、性質の違うものを重ねることに意味があります。

証拠の種類何を見るか強み主な限界
発現・局在標的が病変部位・病態で発現・活性化T細胞を抗原刺激や人工的な刺激試薬で活性化し、増殖・機能発揮できる状態に誘導する操作。しているか入手しやすく初期の絞り込みに有効相関にとどまり因果を示さない
機能実験(in vitro生きた動物の体外で、試験管やシャーレなどを用いて細胞・組織・分子レベルで行う実験を指す用語。ノックダウン・過剰発現で表現型分子が標的に結合するかなど、実際に現れる働き・性質のこと。が変わるか因果の方向を検証しやすい細胞系が病態を再現しているとは限らない
動物モデル遺伝子改変や薬理介入で病態が変わるか生体での因果を評価できるヒト疾患との種差が大きいことがある
ヒト遺伝学ヒトの遺伝子変異と疾患の関連から標的の妥当性を評価する証拠。種差を避け因果に近い示唆を得る。標的遺伝子の変異がヒトの病態と関連するかヒトで直接、因果に近い示唆が得られる該当する遺伝的証拠が常にあるとは限らない

表の一番上、発現・局在の証拠だけで前に進んでしまったのが、まさに冒頭の失敗でした。機能実験や遺伝学的証拠でその方向性を確かめて、はじめて標的として妥当と言えるようになります。相関を示す証拠と因果を示す証拠を区別し、因果側の証拠をどれだけ持てるかが、標的の確度を決めます。

POINT

標的バリデーションは単一の実験で完結しません。発現・機能・動物モデル・ヒト遺伝学という性質の異なる証拠を重ね、相関ではなく因果に近づけていくプロセスとして捉えるのが実務の勘所です。

ヒトの体内で起きた「実験」を読む

因果側の証拠のなかで、近年とりわけ重みを増しているのがヒト遺伝学です。ある解析では、承認薬の作用機序薬が効果を発揮する仕組み。抗体医薬ではADCCやCDCなどが該当し、アッセイで裏づける。は開発初期の段階よりも、ヒト遺伝学的証拠に支持されている割合が高いことが示されました(Nelson ら, 2015)。ヒトの遺伝的証拠に支持された標的は、そうでない標的に比べて臨床開発で成功しやすいわけです。動物モデルの種差を回避し、ヒトの体内で自然に起きた「実験」を観察できることが、その理由にあたります。

考え方はこうです。ある遺伝子に機能を弱める変異(機能喪失、loss-of-function遺伝子の働きを弱める変異。これを持つ人が疾患にかかりにくければ、その遺伝子の阻害が治療になりうる。)を持つ人が、対応する疾患にかかりにくいのであれば、その遺伝子の働きを薬で抑えることは、その疾患の治療につながる可能性が高いと期待できます。逆に、機能を強める変異が病気と関連するなら、その遺伝子を阻害する方向が治療になりうる、という推論が立ちます。生涯にわたってその遺伝子が弱かった人の健康状態を見られるため、有効性だけでなく、その標的を長期に抑えたときの安全性の手がかりにもなります。実務では、Open Targets標的ごとに遺伝学を含む複数の証拠を集約した公開プラットフォーム。初期評価の出発点に使われる。 のような公開プラットフォームで、標的ごとに遺伝学を含む複数の証拠が集約されており、初期評価の出発点として使われます。

とはいえ、遺伝的証拠は万能の切り札ではありません。すべての標的に都合よく遺伝的証拠があるわけではなく、遺伝的証拠が乏しくても重要な標的は存在します。また、遺伝子を生涯弱く持つことと、成人してから薬で急に抑えることは同じではありません。遺伝学は強い示唆を与えますが、それだけで標的の妥当性が確定するわけではない——確度の高い標的を見分ける有力な手がかり、という位置づけで扱うのが妥当です。

狙いたい場所に、モダリティが届くか

ここまでで標的の確度は上げられますが、確度の高い標的が見つかっても、そこにモダリティが物理的に届かなければ実装できません。冒頭のXが仮に「細胞内で悪さをするタンパク質」だったとしましょう。この場合、抗体を作っても細胞膜を通過できないため、Xそのものには手が届きません。狙えるかどうかは、標的が細胞のどこにあるか(細胞外・膜・細胞内)と、モダリティがそこへ到達できるかで決まります。ここがモダリティ選択と標的選定の交差点です。

大きな分かれ目は、標的が「細胞の外側・膜表面」にあるのか、「細胞の内側」にあるのかです。抗体は大きなタンパク質で、原則として細胞膜を通過できません。そのため抗体医薬が直接狙えるのは、血中・組織中の可溶性分子や、細胞表面に露出した膜タンパク質に限られます。一方、核酸医薬や遺伝子治療は細胞内に入り込み、細胞質細胞内部の区画。大腸菌では還元的で、そのままではジスルフィド結合ができにくい。や核の中にあるRNA・遺伝子を標的にできます。狙える標的の空間が、モダリティによって根本的に異なるわけです。

モダリティ主に狙える標的の場所標的にできるもの標的側の主な制約
抗体・ADC標的を選ぶ抗体に、細胞傷害性の薬物(ペイロード)をリンカーでつないだ分子。細胞外・膜表面可溶性タンパク質、膜受容体、細胞表面抗原細胞内標的には原則届かない/膜貫通・可溶で狙い方が変わる
mRNA細胞内で発現させる補充・置換したいタンパク質、抗原(ワクチン)標的タンパク質を「作らせる」用途が中心
AAV遺伝子治療で遺伝子を運ぶウイルスベクター。血清型によって集まりやすい組織が異なる。(遺伝子治療)細胞内(核)・遺伝子欠損遺伝子の補充、導入遺伝子ベクターで細胞に運んで働かせる目的の遺伝子。の発現積載容量やベクター指向性が届く組織を左右する
核酸(siRNA二本鎖の短いRNAで、RISC(Ago2)を介して標的mRNAを分解する核酸医薬。ASOと製造基盤を共有する。/ASO標的RNAに相補的な配列をもつ一本鎖の短い核酸。RNAに結合して働きを抑えたり書き換えたりする。細胞内のRNA標的mRNA、スプライシング前駆体mRNAから不要な部分を除き必要な部分をつなぐRNAの編集。ASOで切り替えを調節できる。、非翻訳RNA配列で狙えるが送達ゲノム編集ツールや核酸医薬などを標的細胞・組織まで安全かつ効率よく運ぶための技術・方法論の総称。組織が限られやすい
細胞治療(CAR-T 等)細胞(表面抗原)がん細胞などの表面抗原標的は細胞表面抗原が中心/正常組織との差が要

先ほどの「細胞内のX」に戻れば、抗体では手が届かなくても、XをコードするmRNAを核酸医薬で減らす、あるいは遺伝子レベルで介入する、という選択肢が開けます。逆に、細胞表面の抗原を高い特異性分析法において、共存する不純物・分解物・添加剤などが存在しても目的成分だけを正確に測定できる能力。で捉えたいなら抗体やCAR-Tが有利です。つまり同じ「狙いたいメカニズム」でも、標的の在り処に応じてモダリティを選び直すことで、実装可能な標的の幅が広がります。分子・ベクター・細胞といった実装レベルの設計は分子・ベクター・細胞の設計で詳しく扱います。

なお、低分子はこの図式の外側で、細胞膜を通過して細胞内の酵素やシグナル分子に結合できる一方、結合ポケット酵素や受容体の表面にあり、薬分子がはまり込むくぼみ。SBDDで設計の要件を読み取る場所。を持つ標的でないと効きにくいという別種の制約があります。本稿では横断の対比を主眼にするため、詳細は割愛します。

「狙える」を分ける物差しはモダリティごとに違う

在り処が届く範囲にあったとしても、まだ安心はできません。核酸医薬でXのmRNAを狙う場合、配列で狙えること自体は多くの場合満たされますが、その配列をXが働く組織へ届けられるかどうかが、しばしば実質的な壁になります。この「狙いたい」と「狙える」の間を埋める評価が druggability(狙いやすさ)です。標的が特定のモダリティで介入可能な性質を備えているか——その物差しは、モダリティごとに違います。

  • 抗体・ADC:標的が細胞外・膜表面にあり、抗体が結合できる立体構造(エピトープ)を露出しているか。可溶性か膜結合かで設計が変わり、内在化する受容体なら ADC の積み荷を細胞内へ運び込めます。
  • 核酸(siRNA/ASO):標的が既知の配列を持つRNAであること自体は多くの場合満たされます。むしろ律速は、その配列を狙える組織へ送達できるか(送達性)です。
  • 遺伝子治療(AAV):単一遺伝子の欠損で、補充する遺伝子がベクターの積載容量に収まり、標的組織へベクターが届くか。
  • 細胞治療:標的抗原が対象細胞の表面に十分に発現し、かつ正常組織との差が保たれているか。

こうして並べると、druggability は標的だけの性質ではなく、標的とモダリティの組み合わせで決まることが見えてきます。核酸医薬では「配列で狙えるか」よりも「その組織に届けられるか」が実質的な壁になりやすく、抗体では「細胞外にあるか」「良いエピトープがあるか」が壁になります。標的を評価するときは、どのモダリティを想定するかを固定したうえで druggability を問う。標的単独ではなく、標的とモダリティのペアで評価してはじめて、この指標は意味を持ちます。

POINT

「狙いたいメカニズム」が決まっても、そのままでは開発に進めません。標的の在り処とモダリティの到達範囲を突き合わせ、druggability を標的とモダリティのペアで評価してはじめて、実装できる標的が定まります。

有効でも、安全とは限らない

有効性の見立てが整い、届く手段も見つかった標的が、最後の関門でつまずくこともあります。たとえば、がん細胞の表面にある抗原を CAR-T で攻撃する設計を組んだとします。標的抗原ががん細胞にしっかり出ていれば有効に見えますが、その抗原が正常組織にもわずかに発現していると、CAR-T は正常組織まで誤って攻撃してしまいます。オンターゲット・オフ腫瘍毒性と呼ばれるこの問題は、標的選定の段階で見落とすと、後工程で重い副作用として現れます。安全性は、有効性と同じ重みで、この工程のうちに織り込んでおく必要があります。

早期に確認すべき観点は二つに絞れます。一つ目は必須性です。ある遺伝子が生存や基本的な機能に不可欠(必須遺伝子)であれば、それを強く抑える介入は重い毒性を招きかねません。ヒト集団で機能喪失変異がほとんど見つからない遺伝子は、機能喪失が許容されにくい(変異に対する制約が強い)ことを示唆し、そうした遺伝子は標的として慎重に扱う必要があります。こうした遺伝的制約の情報は、ヒト集団の大規模変異データベース(gnomAD など)から読み取れます。前述のヒト遺伝学は、有効性の示唆と同時に、この安全性の手がかりも与えてくれます。

二つ目が、先ほどの CAR-T の例で見たオフ組織(off-tissue)の懸念です。標的が病変部位だけでなく、他の正常組織にも発現していると、その標的を狙う介入が正常組織にも作用し、副作用の原因になります。標的抗原が「病態組織にどれだけ限局しているか」は、細胞治療や ADC の設計で決定的です。どの懸念が前面に出るかは、モダリティによって変わります。

モダリティとくに注意すべき安全性の観点
抗体・ADCオフ組織での標的発現、ADC では正常細胞への積み荷の漏れ込み
細胞治療(CAR-T)標的抗原の正常組織発現によるオンターゲット・オフ腫瘍毒性
核酸(siRNA/ASO)配列の類似による意図しない遺伝子への作用(オフターゲット)、集積組織の毒性
遺伝子治療(AAV)導入遺伝子の過剰発現、ベクターが向かう組織での影響

こうした標的側の安全性懸念は、非臨床の安全性評価にそのまま引き継がれます。バイオ医薬品では、標的の生物学とヒトでの関連性を踏まえて評価を設計する考え方が国際的なガイドライン(ICH S6(R1))で示されており、標的選定の段階での見立てが、後の非臨床試験の設計にまで影響します。必須性とオフ組織の評価を標的選定に組み込んでおけば、後工程での予期せぬ毒性リスクを前もって減らせます。

一枚の図から標的へ、翻訳しきる

冒頭の「発現が高いタンパク質X」を思い返してください。あの一枚の図から臨床で効く薬にたどり着くには、越えるべき関門がいくつも並んでいます。発現は相関にとどまるので、機能実験や動物モデル、そしてヒト遺伝学で因果の確度を上げる。とりわけヒトの遺伝的証拠は、有効性と長期の安全性の両面に手がかりを与えるため、標的選定で重視されるようになっています。

そこで確度の高い標的が見えても、次に問われるのは「どのモダリティで狙えるか」です。抗体は細胞外・膜表面、核酸や遺伝子治療は細胞内、細胞治療は表面抗原——標的の在り処とモダリティの到達範囲を突き合わせ、druggability を標的とモダリティのペアで評価してはじめて、実装できる標的が定まります。そして必須性とオフ組織という安全性の懸念を早期に織り込めば、後工程でのリスクを前もって抑えられます。一枚の図から始まった見立てを、実装可能で安全な標的へと翻訳しきる——それが標的選定という工程の核心です。

参考文献

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編集メモ:この記事はProglenth編集部が、抗体医薬に関する基礎的な情報を、はじめての方にも分かるように整理したものです。実際の製造方法・管理戦略・品質基準は、製品や企業、各国の規制によって異なります。本記事は一般的な解説であり、特定製品の推奨や規制・医療上の助言ではありません。実務で判断される際は、各極の薬局方・ガイドライン(ICH/GMP等)やメーカーの一次情報を必ずご確認ください。内容に誤りやご指摘があればお問い合わせからお知らせください。