第一三共の子会社 American Regent が、エピネフリン注射液(30 mL の多回投与バイアル、1 mg/mL)の3ロットを回収する。FiercePharma によれば、異物の混入と液漏れの懸念によるもので、注射剤の異物問題に直面するメーカーがまた1社加わった形とされています。同社の発表では、バイアルの割れや漏れの報告を受けて無菌性が保証できないと判断し、調査でナイロン、セルロース系、アクリル、ポリエチレン、ガラスの粒子が見つかったとされます。回収は消費者レベルまでで、同社は関連する有害事象の報告を受けていないとしています。
異物と液漏れ、原因の置き場所が違うことが多い二つ
同じ回収でも、この2つは原因の置き場所が違います。
異物(particulate)は、製品の中に入ってしまった目に見える粒子です。ガラス片、ゴム片、繊維、析出した薬物、いずれもありえます。外観検査で全数を見ますが、見つかったものを弾くだけでは、なぜ入ったのかは分かりません。微粒子の測定と合わせて、どの工程から来ているかを追うことになります。
液漏れは、容器の閉じ方の問題です。容器閉塞性が保てていなければ、漏れるだけでなく無菌性も担保できません。バイアルであれば栓の打ち込み、アンプルであれば溶封の条件が効きます。
ただし今回は、バイアルの割れが漏れの発端として報告され、見つかった粒子にもガラスが含まれています。二つの問題が別々の工程に由来すると決めつけることはできず、原因は公表されていません。
エピネフリンという製品の性格
エピネフリンはアナフィラキシーの一次治療に使われ、代替が効きにくい薬です。供給が止まると現場が直接困ります。
一方で、製剤としては扱いにくい面があります。酸化を受けやすいため、酸素や金属イオンの管理が要り、pHも狭い範囲に置く必要があります。析出物が異物として現れることもあります。原薬と製剤の管理項目が、そのまま安定性の話につながる製品です。
回収の判断では、分類に応じて通知の範囲と速さが決まります。代替の効かない製品では、回収の範囲を絞れるかどうかが供給への影響を左右します。ロット単位でしか追えなければ、影響のない分まで止まります。
なお、対象ロットは 25128L1C0、25280L1C0、26108L1C0(NDC 0517-3030-01)で、FDAの公表は2026年9月3日です。回収の分類は報道からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(FiercePharma の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。回収の範囲・原因・対象ロットの詳細は一次情報およびFDA・同社の公式発表をご確認ください。