Carterra の高スループットSPR装置を使って、AIが設計した1,320種のタンパク質の結合が実測された。PharmaTimes によれば、測定したのは Twist Bioscience と Adaptyv Bio、対象は15の標的で、設計は Anthropic の Claude によるもの。AIが設計したタンパク質を実際に作って測った検証としては、公表されているなかで最大級とされる。
設計は速いが、測るほうが追いつかなかった
タンパク質の配列を計算で作るだけなら、候補はいくらでも増やせます。詰まるのはその先で、作って、測って、結果を次の設計に返すという工程です。
なかでも「測る」が細い部分でした。SPRやBLIによる結合の測定は得られる情報が多い一方、1検体ずつ流す方式では処理できる数が限られます。1,000種を設計しても数十しか測れないのでは、設計の速さが活きません。高スループットSPRは、多数の分子を板の上に並べて一度に測る装置で、この差を埋めるために使われます。
「結合した」だけでは順位がつかない
抗体の一次スクリーニングでは、まず結合するかどうかでふるいにかけます。ただし残った分子の優劣は、結合の強さ(KD)ひとつでは決まりません。
- 速く着いて速く離れる分子と、ゆっくり着いて離れない分子は、同じ強さでも体内での挙動が違います
- 同じ標的でも、付く場所が違えば働きが変わります
- 作りやすさ——凝集しにくさ、発現量、熱への強さ——も選定の材料になります
結合の速さまで大量に取れると、こうした軸で候補を並べ直せます。計算で予測したものをわざわざ測り直すのも同じ理由で、ドッキングによる予測は順位づけには使えても、実測の代わりにはならないためです。
なお、測定条件や成功率などの詳細は報道からは分かりません。一次情報での確認が要ります。
※ 本ページは公開情報(PharmaTimes の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。研究内容・測定条件・装置仕様の詳細は一次情報および各社の公式発表をご確認ください。