フローサイトメトリーの Cytek Biosciences が、次世代のフルスペクトル・フローサイトメーター Cytek Borealis を発表しました。SelectScience および同社リリース(GlobeNewswire)によると、2026年6月にフロリダで開催された CYTO 2026 で公開されたものです。
以下、構成・性能はいずれもメーカーの公表値(第三者検証ではない自己申告)です。
何が新しいのか
従来のフローサイトメトリーは、蛍光色素ごとに専用の検出チャンネルを割り当てる方式が主流でした。フルスペクトル方式は、各色素の「スペクトルの形」全体を多数の検出器で捉え、あとから成分に分けます。重なりの大きい色素も同時に多く使えるのが強みです。
- レーザー:7本のレーザーラインを搭載し、新たに深紫外(DUV)と赤外(IR)を追加。使える色素の幅を広げます。
- 検出器:計120(蛍光110+散乱10)。メーカーは高分解能の60色パネル、さらにそれを超える複雑性にも対応しうると説明しています。
- 新規試薬:DUV・IRに対応する新しい cFluor 試薬に対応。
- 自動化:あわせて発表された Aurora Evo の新構成は、ロボットによるプレートハンドリングや第三者スケジューリング基盤との連携に対応し、取得を自動化するとしています。
- 将来像:スペクトル検出にセルイメージング(Luminex ImageStream由来の資産)を組み合わせる設計思想にも触れています。
提供はまず早期アクセスプログラム(EAP)を通じて始まるとのことです。
位置づけと留意点
多パラメータの細胞解析は、細胞治療の重要品質特性(CQA)の評価や、抗体のエフェクター機能の解析など、免疫・細胞分野で年々パネルが大型化しています。レーザー本数と検出器数を増やす方向は、その需要に沿った強化と読めます。
一方で、60色級のパネルは設計・スペクトル分離(アンミキシング)・補償の作り込みが品質を左右し、装置スペックがそのまま実験の再現性を保証するわけではありません。示された色数や検出器数はメーカーの公表値で、実際の分解能は色素の組み合わせや試料で変わります。導入時は自社パネルでの検証が前提になります。