医薬品包装大手の Gerresheimer が、素材の添加剤技術を手がける Milliken & Company との協業を発表しました。企業リリース(2026年4月20日)によるもので、HDPE(高密度ポリエチレン)製の医薬一次包装の防湿性を、添加剤で底上げしようという取り組みです。
以下、性能値は各社の公表値(第三者検証ではない自己申告)です。
「素材を替えずに守りを固める」という発想
固形製剤などでは、湿気が品質と保存期間を左右します。防湿性を上げる王道は、多層のバリア構造にしたり、より防湿性の高い別の樹脂に替えたりすることですが、そのぶん設計変更やコストの負担も大きくなります。
今回の LeneX UltraGuard は、そこを添加剤で解こうとするものです。Milliken の添加剤技術をベースの HDPE に組み込み、樹脂そのものを根本から替えずに防湿バリア性能を高める、という考え方です。両社はこれを、多層システムや樹脂変更に比べて導入しやすい「漸進的(インクリメンタル)な解決策」と位置づけています。
40%改善と、ダウンゲージ
公表値では、HDPE の包装システムに組み込むことで防湿バリア性能を 最大40%改善するとされています。ここから派生する利点として挙げられているのが、ダウンゲージ——保護性能を保ったまま容器の肉厚を薄くし、樹脂の使用量を減らせる、という点です。防湿性を上げつつ材料を減らせるなら、安定性と資源効率の両取りが狙えることになります。
この協業は、Gerresheimer 傘下の Bormioli Pharma と Milliken が大手製薬顧客向けに進めてきた取り組みを発展させたものだと説明されています。
位置づけと留意点
一次包装の守備範囲は容器施栓系の完全性(CCI)、保存期間の裏づけは安定性試験(ICH Q1)、湿気や酸化への対策の考え方は添加剤・安定化剤の選定の側から見ると、包装の防湿性がどこに効くのかが見えやすくなります。
「最大40%」はメーカーの公表値であり、実際の効果は製剤・容器形状・保管条件によって変わります。防湿は包装だけで決まるものではなく、製剤設計や乾燥剤の併用まで含めた全体で考える前提の技術です。