日立ハイテクが、紫外可視近赤外分光光度計「UH9000シリーズ」を発売した。固体試料の分光特性を測る装置で、UH9100 と UH9200 の2機種。発売日は2026年6月29日である。
同社は、これまで測定条件を変えて複数回に分けていた測定を1回にまとめられる「マルチスキャン機能」と、自動偏光子ホルダによって、測定業務の効率が上がるとしています。
何回も測り直す、をやめるための機能
分光光度計で測る対象が変わると、必要な条件も変わります。波長の範囲、検知器、スリット幅、偏光の向き。1枚の試料でも、知りたいことが複数あれば、条件を変えて何度も測ることになります。
このとき手間になるのは測定そのものより、条件を変えるための操作と、その間に試料をどう保つかのほうです。測り直すたびに試料を出し入れすれば、位置がずれます。偏光子を手で入れ替えれば、そこも作業者次第になります。
マルチスキャン機能は、この繰り返しを1回の測定にまとめるという発想の機能です。自動偏光子ホルダも同じ方向で、担当者の慣れに寄らず条件が揃うことを狙っています。同社は、これが測定精度の安定にもつながると説明しています。
2機種の違いは、近赤外側の見え方
2機種の位置づけは分かれています。
- UH9100:幅広い波長領域の測定に対応する標準機
- UH9200:InGaAs検知器を搭載し、近赤外域を高感度化。低透過率・低反射率の試料に向く
暗い試料、つまり光をほとんど通さない・返さない試料は、届く光が少ないぶん測りにくくなります。UH9200 はそこを検知器で押さえる構成です。
光学系は、従来の UH4150 シリーズで評価されていた平行ビーム設計を継承しており、UH4150 シリーズとの互換性も維持されています。既存機を持っている現場では、これが乗り換えの判断材料になります。
なお、価格は公表されておらず、問い合わせによる対応です。生体試料や溶液の測定にどこまで向くかについても、発表からは分かりません。
分光を工程の中で使う話はラマン分光によるPATに、溶液の吸光度で量を測る話はA260/A280による定量にまとめています。
※ 本ページは公開情報(日立ハイテクの発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。仕様・価格の詳細は一次情報および各社の公式発表をご確認ください。