LumaCyteは、ラベルフリーの単一細胞解析プラットフォーム「Radiance®」について、占有スペースを従来の約半分(ベンチ幅で16インチ程度)に抑えた小型モデルを発表した。測定原理であるレーザーフォースサイトメトリー(Laser Force Cytology:LFC)は変えず、設置面積だけを縮小した位置づけで、スペースに制約のある細胞・遺伝子治療の製造室やQC(品質管理)ラボへの導入を狙う。先進的治療(ATMP)の生産が広がるなか、現場に置きやすい計測装置への需要に応える動きだ。
レーザーフォースサイトメトリー(LFC)とは
LFCは、細胞を蛍光色素や抗体で標識(ラベル)せずに、細胞そのものが持つ生物物理的・生化学的な性質を反映する「光の力(オプティカルフォース)」を1細胞ずつ測る手法である。マイクロ流路に細胞を1つずつ流し、レーザー光が細胞に及ぼす力の差から、生死や大きさ、活性化や処理への応答といった状態の違いを捉える。標識を前提とする一般的な細胞計数・生存率測定と違い、染色や前処理による影響を避けられ、しかもリアルタイムに定量できる点が身上だ。色素の入手性やロット差、標識工程の手間に左右されにくいことは、規制の厳しい製造現場では小さくない利点になる。
なぜ製造・QC現場で小型化が効くのか
細胞治療では、出発材料となる細胞の品質や、培養・分化・回収といった各工程での細胞の状態が、最終製品の品質と有効性を直接左右する。ラベルフリーで即座に1細胞レベルの情報が得られれば、無血清・ゼノフリー培地での培養や幹細胞の分化、細胞バンクの特性評価といった工程を、より速く客観的な数値で管理できる。工程内計測(PAT)の考え方に沿って、ばらつきや逸脱の兆候を早い段階で捉える使い方も見込まれる。装置の小型化そのものは派手な話ではないが、クリーンな製造区域やQCラボのように置き場所と動線に制約のある現場へ計測を持ち込めるかどうかは、実装の可否を分ける現実的な条件だ。基盤技術を据え置いたまま設置面積を下げる今回のモデルは、その障壁を下げる一手といえる。
※ 本ページは公開情報(BioSpace報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。