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2026.07.30•Nirrin Technologies

Nirrin、希釈なしで15µLから測るタンパク定量「TALOS™」──日本はS.T. Japanが独占販売

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Photo: Adam Bezer / Unsplash

工程内分析の装置を手がける Nirrin Technologies が、タンパク質の濃度を測るシステム「⁠**TALOS™**⁠」を2026年6月に発売しました。抗体医薬の工程で何度も繰り返す濃度測定を、試料を薄めずに、目薬1滴より少ない 15µL で済ませられるとしています。日本市場では、同社が独占販売パートナーに指名した S.T. Japan が取り扱います。

薄めずに測る近赤外の方式

多くの現場では、タンパク質の濃度を紫外線の吸収(A280)で測ってきました。手軽な反面、この方法には手間が二つあります。濃い試料をそのまま測ると吸収が振り切れるので、薄めるか、光が試料を通る距離(光路長)を装置側で調整しなければなりません。もう一つは、吸収の強さを濃度に直す係数(吸光係数)を分子ごとに用意することです。紫外線を吸うのはトリプトファンやチロシンといった一部のアミノ酸だけで、その数が分子ごとに違うからです(仕組みはA260/A280の解説、換算はA280濃度の計算ツールで確かめられます)。

TALOSは紫外線の代わりに近赤外(NIR)の光を使い、タンパク質の骨格にあたるペプチド主鎖の吸収を、光路長を1 mmに固定したまま測ります。光源には、波長を細かく切り替えられるレーザーを使います(同社独自の分光法HPTLS™)。同社によると、⁠0.1〜250 mg/mL を数秒で測れ、分子ごとの吸光係数や検量線も要りません。上限の250 mg/mLは、皮下注射用の高濃度製剤の濃度帯にも届く値です。主鎖はどのタンパク質にも共通する構造なので、扱う抗体が変わっても同じ物差しで測れる設計だと考えられます。

従来の可変光路長型のUV測定は、光路長を機械で動かして濃い試料に対応してきました。TALOSは動く部品に頼らず、光路を固定したまま広い濃度範囲を測る点が違います。

UF/DFや技術移管の現場への影響

希釈は一見ただの下準備ですが、ピペット操作のたびに誤差が乗り、GMPの現場では希釈倍率の記録と確認の手間も増えます。薄め方を誤れば測り直しです。15µLをそのまま測れるなら、この手順ごと省けます。

効きそうな場面の一つが、UF/DF(膜でタンパク質を濃縮し、緩衝液を入れ替える工程)の最終濃縮です。狙いの濃度に届いたかを知るために、多くの現場では試料を抜いて薄めて測っており、その間、工程は結果を待ちます。同社は、TALOSを工程の傍らで試料を取って測るat-line、配管を流れる液をそのまま測るin-line、タンクなどの中で直接測るin situのいずれでも使えると説明しています。工程やスケール、製造拠点をまたいで同じ方式を使える点も掲げており、工程内分析(PAT)に組み込む道も開けます。測定方式が拠点ごとに変わらなければ、分析法の移管のたびに比較試験を組み直す負担も軽くなると考えられます。

いまの濃度測定で、1検体あたり何回薄めているか、その記録にどれだけ時間を使っているかを数えてみると、この種の装置がどれだけ効くかの見当が付きます。導入を考えるなら、糖や界面活性剤などの添加剤が多い処方も含めて、自社の分子でデモ機を試すのが近道です。S.T. JapanはTALOSのデモ機を購入し、国内の顧客が自社の試料で試せるようにするとしています。Nirrinはその後、2026年9月の展示会で、TALOSと組成分析用の「ATLAS®」を1台で切り替えて使える新プラットフォーム「TL-NIR」も披露しています。

導入の判断は、自社の分子と処方で、これまでのA280の値とどこまで一致するかを確かめるところから始まります。

※ 本ページは、Nirrin Technologiesが2026年6月3日にBusiness Wireで公表したTALOSの発売発表と、6月15日に公表したS.T. Japanとの独占販売契約の発表をもとにした紹介です。仕様の詳細や国内での提供条件は公式情報をご確認ください。

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本記事は企業のプレスリリースをもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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