技術トピック
2026.09.06

100種類を超える部品でRNAのナノ構造を組み上げる

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Photo: Antonis Georgiou / Unsplash

100種類を超える異なる部品から RNA のナノ構造を自己組織化させたプレプリントが bioRxiv に公開された。抄録によれば、RNA は DNA より構造モチーフと生物学的機能の幅が広いにもかかわらず、これまで作られてきた RNA ナノ構造は DNAオリガミや DNAブリックほど複雑でもスケーラブルでもなかったとされています。

その理由として挙げられているのが、⁠多数の異なる一本鎖RNAを合成する費用の高さです。DNA の手法をそのまま持ち込もうとすると、ここで詰まります。

コストになる「配列の数」

DNAオリガミは、長い一本鎖の足場に、多数の短い合成DNA(ステープル)を結合させて形を作ります。DNAブリックも同様に、多数の異なる短い鎖のライブラリに依存します。

RNAで同じことをするなら、100種類以上の異なるRNAを用意することになります。固相合成で作れば、種類の数だけ合成のコストがかかります。DNAより不安定で、収率も落ちます。

抄録は2つ目の障壁として、一本鎖RNAが一般的な組み立て条件では不安定なことを挙げています。解決には、分岐したキッシングループの相互作用でプログラム的に組み上がる二本鎖RNAの「ブリック」が使われ、二次元と三次元の複雑な構造が100種類を超える部品から作られたとされます。

医薬品の側から見ると

RNAで構造を組めることの意味は、単に細かい形が作れることではありません。⁠構造そのものに機能を持たせられる点にあります。

これらを1つの構造の中に配置できれば、核酸医薬の設計の幅が広がります。送達の観点でも、脂質ナノ粒子とは別の形で、大きさや表面を設計できる可能性があります。

一方、製造の観点では課題が増えます。100種類の部品を使う製品は、⁠部品ごとの規格と、組み上がった後の規格の両方が要ります。核酸のQCで扱ってきた純度や整合性の考え方を、そのまま当てはめるのは難しいはずです。

なお、これはプレプリントで査読を経ていません⁠。手法の詳細や収率は抄録からは分かりません。

※ 本ページは公開情報(bioRxiv のプレプリント)をもとにしたProglenth編集部による整理です。プレプリントは査読を経ていません。手法・結果の詳細は一次情報をご確認ください。

学術・公的機関
biorxiv.org
出典を見る ↗

本記事は学術論文・公的機関の情報をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

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