島津製作所が、燃焼イオンクロマトグラフシステムを2026年9月4日に発売した。自動試料燃焼装置で処理した吸収液を、そのままイオンクロマトグラフへ自動で注入して分析する構成である。
測るのは個々の物質ではありません。AOF(吸着性有機ふっ素)法で、試料に含まれる有機ふっ素、つまり PFAS の総量をスクリーニングします。オプションの検量線用シリンジポンプを使えば、標準溶液から自動希釈で濃度違いを作れるので、前処理の手作業も減らせるとしています。
「1つずつ測る」と「全部まとめて測る」
PFAS の分析には、性格の違う2つのやり方があります。
ひとつは LC-MS/MS で、PFOS や PFOA といった個別の物質を種類ごとに定量する方法です。規制値と直接突き合わせられるので、最終的な判断にはこちらが要ります。ただし、測れるのは標準品があって分析法が確立している物質だけです。PFAS と総称される化合物は1万種を超えるとされ、そのすべてに標準品はありません。
もうひとつが AOF のような総量法です。何が入っているかは分かりませんが、有機ふっ素として全部でどれだけあるかは分かります。個別法で測った合計より総量のほうが大きければ、「測れていない何かがある」という手がかりになります。
この2つは競合しません。まず総量で振り分けて、引っかかったものを個別法に回すという使い分けになります。今回の装置は前者を担う位置づけで、燃焼から注入までを自動で繋いだところが実務上の差になります。燃焼法は手順が長く、吸収液の取り扱いで値が振れやすい工程だからです。
製薬の現場で関係してくるところ
PFAS は環境分析の話に見えて、製造の側にも入ってきます。撥水・撥油の材料として、フィルター、チューブ、シール、離型剤などに使われてきたためです。
抽出物・浸出物(E/L)の評価では、単回使用部材から何が出てくるかを調べます。PFAS が規制対象として整理されていく流れの中で、部材の側で使われているかどうかを聞かれる場面は増えます。供給者管理と受入試験で、供給元に確認する項目が1つ増えるという話でもあります。
なお、価格と販売目標は公表されていません。定量下限や測定に要する時間も、発表資料からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(薬事日報の報道および島津製作所の発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。仕様・価格の詳細は一次情報および各社の公式発表をご確認ください。