核酸合成

IVT用酵素・試薬(T7・NTP・DNase)

IVT用酵素・試薬は、mRNA医薬の核となるin vitro転写(IVT)反応を構成する原材料群です。鋳型DNAから一本鎖RNAを合成するT7 RNAポリメラーゼ、基質となるNTP(修飾NTPを含む)、環状鋳型を直鎖化する制限酵素、転写後に鋳型DNAを除去するDNaseなどを含みます。配列正確性・収量・不純物プロファイルを左右し、GMPグレードと性能が選定の鍵になります。

mRNA合成in vitro転写T7 RNAポリメラーゼ修飾NTPGMPグレード
分類
核酸合成
主な用途
mRNA合成 / in vitro転写 / T7 RNAポリメラーゼ / 修飾NTP / GMPグレード
関連モダリティ
mRNA-LNP / 自己増幅型mRNA(saRNA) / プラスミドDNA / ワクチン / siRNA・アンチセンス核酸
代表メーカー
Thermo Fisher Scientific・New England Biolabs・Merck (Sigma-Aldrich)・Promega ほか計6社
関連キーワード
mRNA / in vitro転写 / T7 RNAポリメラーゼ / 修飾NTP / キャッピング / 残存DNA

用途・特徴

IVT反応は、直鎖化した鋳型DNAのT7(またはSP6・T3)プロモーター下流をRNAポリメラーゼが転写し、NTPを基質に一本鎖RNAを合成する反応です。N1-メチルシュードウリジン(m1Ψ)などの修飾NTPを用いると、免疫原性の低減と翻訳効率の向上が期待できます。酵素・試薬の品質が、全長収量、二本鎖RNA(dsRNA)副生成物、中断配列、残存DNAといった不純物プロファイルを直接左右します。

選定では、グレード(研究用/GMP)、エンドトキシン・ヌクレアーゼ・残存宿主由来不純物の規格、酵素の比活性とロット間再現性、修飾NTPの取り込み効率、鋳型直鎖化に使う制限酵素の認識配列とスター活性、DNaseの完全分解性とRNAへの影響を確認します。トレーサビリティとDMF・規格書などの規制サポートも重要です。

工程設計では、IVT反応条件(酵素・NTP・Mg2+・温度・時間)の最適化に加え、Cappingストラテジー(共転写キャップ vs 酵素的キャップ)との整合、転写後のDNase処理とその後の精製(dsRNA除去・NTP/酵素除去)まで一連で考えます。連続生産や大スケールでは、原材料の供給安定性とコストも設計要素になります。

Point
  • 鋳型DNAからmRNAを合成するIVT反応の中核原材料
  • T7 RNAポリメラーゼが主流(SP6・T3も用途あり)
  • 修飾NTP(m1Ψなど)で免疫原性低減・翻訳効率向上を図る
  • 鋳型直鎖化用の制限酵素、転写後の鋳型分解用DNaseを含む
  • 全長収量・dsRNA副生成物・残存DNAなど不純物プロファイルを左右する
  • 研究用とGMPグレードで規格・トレーサビリティが大きく異なる
  • エンドトキシン・残存ヌクレアーゼ・ロット間再現性が選定軸
  • Capping・精製工程との整合を含めた一貫設計が重要

使用方法

基本的には、鋳型DNAを直鎖化し、T7 RNAポリメラーゼとNTPでIVT反応を行い、DNase処理後に精製してmRNAを回収します。

1プラスミド鋳型を制限酵素で直鎖化する
2直鎖化DNAを精製し純度・直鎖化率を確認する
3T7 RNAポリメラーゼ・NTP(修飾NTP含む)・緩衝液を調製する
4IVT反応を実施しmRNAを合成する
5DNaseで鋳型DNAを分解・除去する
6精製後に収量・純度・dsRNAなどを評価する
実際の条件は、配列、修飾NTPの種類、Cappingストラテジー、スケール、GMP要件、後続精製との整合によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)