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キャッピング試薬・キャップアナログ

キャッピング試薬・キャップアナログは、mRNAの5'末端にCap構造を付与する材料・酵素系です。共転写型のキャップアナログ(CleanCap等)をIVT反応に共存させる方式と、転写後にキャッピング酵素+2'-O-メチル転移酵素で付与する後転写方式があり、キャッピング率と翻訳活性、自然免疫回避を左右する核酸合成の要となります。

共転写キャッピングキャップアナログ後転写酵素法Cap1構造翻訳活性

用途・特徴

5'キャップ(m7Gppp…)はmRNAの安定性と翻訳開始、自然免疫回避に必須の構造です。付与方式は大きく二つで、共転写型はキャップアナログをIVT反応液に共存させ、T7 RNAポリメラーゼが転写開始時にキャップを取り込みます。CleanCapに代表される三量体型アナログは正方向取り込みと高いキャッピング率を実現し、ワンポットで工程が単純な点が利点です。

後転写型は、まずキャップ無しのRNAをIVTで合成し、ワクシニアキャッピング酵素(GTP・SAM存在下でCap0を形成)と2'-O-メチル転移酵素でCap1まで仕上げます。配列依存性が小さく長鎖・自己増幅型でも高いキャッピング率を得やすい一方、酵素・基質コストと工程数が増えます。選定軸はCap0かCap1か(Cap1はRIG-I/IFIT系の自然免疫を回避し翻訳活性が高い)、キャッピング率、5'末端配列の制約、コスト、GMPグレードと供給安定性です。

工程設計では、共転写型はアナログ濃度とGTP比、開始配列(多くがAGやGGで始まる制約)を最適化し、後転写型は酵素単位数・反応時間・スケール時のSAM消費を管理します。いずれもLC-MS等によるキャッピング率(%Cap1)の測定と、翻訳活性・mRNA完全性の確認をセットで行い、原薬規格に落とし込みます。

Point
  • mRNA 5'末端へm7Gpppキャップを付与し安定性・翻訳・免疫回避を担う
  • 共転写型(CleanCap等)はIVTにアナログを共存させワンポットで付与
  • 後転写型はキャッピング酵素+2'-O-メチル転移酵素でCap0/Cap1を形成
  • Cap1はRIG-I/IFIT系の自然免疫を回避し翻訳活性が高い
  • 共転写型は工程が単純、後転写型は配列依存性が小さく長鎖に強い
  • キャッピング率(%Cap)はLC-MS等で評価し原薬規格に組み込む
  • 5'開始配列の制約(AG/GG等)とアナログ濃度・GTP比の最適化が鍵
  • GMPグレード・CoA・供給安定性とセカンドソースを確認する

使用方法

共転写型はIVT反応液にキャップアナログを加えてワンポットで付与し、後転写型は精製後のRNAへ酵素反応でキャップを付けます。いずれもキャッピング率と翻訳活性を確認して条件を確定します。

1付与方式(共転写型/後転写型)と目標Cap構造を決める
2共転写型はアナログ濃度・GTP比・開始配列を設定する
3IVT反応でキャップ付きRNAを合成する(共転写)
4後転写型はキャッピング酵素+2'-O-メチル転移酵素で反応させる
5DNase処理・精製で残存基質・酵素・短鎖を除去する
6LC-MS等でキャッピング率と翻訳活性を評価し条件を確定する
実際の条件は、付与方式、目標Cap(Cap0/Cap1)、mRNA長と5'開始配列、アナログ・酵素のグレード、スケール、GMP要件によって変わります。

使用される工程

キャッピング試薬は、mRNA・自己増幅型RNA・saRNAワクチンのIVT工程で、5'キャップ付与とキャッピング率の作り込みに使われます。

共転写キャッピング

IVT反応にアナログを共存させワンポットでCapを付与する。

主な用途
  • ワンポット
  • 高Cap率

後転写キャッピング

酵素系でCap0/Cap1を付与し配列依存性を抑える。

主な用途
  • 酵素法
  • 長鎖対応

Cap1構造の作り込み

2'-O-メチル化で自然免疫を回避し翻訳活性を高める。

主な用途
  • Cap1
  • 免疫回避

プロセス開発・条件最適化

アナログ濃度・GTP比・酵素量を最適化しキャッピング率を上げる。

主な用途
  • 条件最適化

品質評価(キャッピング率)

LC-MS等で%Capと翻訳活性を測定し規格に落とす。

主な用途
  • %Cap測定

使用されるモダリティー

キャッピング試薬は、mRNAを医薬として用いるモダリティーで5'キャップ付与に必須となります。

mRNAワクチン・mRNA医薬
関連度
IVT共転写Cap1付与
5'キャップ付与とキャッピング率の作り込みに中心的に使われる主役の材料。
自己増幅型RNA(saRNA/srRNA)
関連度
長鎖キャッピング後転写酵素法
長鎖RNAで高いキャッピング率を得るため後転写酵素法も併用される。
環状RNA(circRNA)
関連度
前駆体設計
IRES駆動の翻訳が主だが前駆体や比較対照でキャップ系を扱う場面がある。
RNA系遺伝子治療・編集
関連度中〜高
mRNA送達翻訳活性確保
Cas9 mRNAなど治療用mRNAの翻訳活性と免疫回避のためにCap1付与を行う。

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