製品ガイド ・ 製剤材料

イオン化脂質・LNP脂質材料

イオン化脂質・LNP脂質材料は、mRNAや核酸を細胞へ届ける脂質ナノ粒子(LNP)を構成する4成分です。

主な用途
製剤材料・mRNA-LNP・脂質ナノ粒子・核酸送達・GMPグレード
メーカーの問い合わせ先を見る
掲載内容の修正

イオン化脂質・LNP脂質材料(掲載内容の修正)

編集部が内容を確かめて、掲載を直します。メーカーや受託企業には送りません。

製品一覧で比較する
掲載メーカー10社Merck / MilliporeSigma・Avanti(Croda)・NOF Corporation(日油) ほか
掲載製品10製品各社の公式ページへのリンク付き
使う工程4工程イオン化脂質による核酸の取り込み・PEG脂質による粒子径・安定性の制御・コレステロール・補助脂質による膜安定化
関連モダリティ5種mRNA-LNP・siRNA / ASO(核酸医薬)・saRNA / 自己増幅型RNA

要点

メーカーと製品

10社・10製品
Merck / MilliporeSigmaGMPグレード イオン化脂質・PEG脂質・補助脂質LNP向けの脂質ポートフォリオとカスタム合成を提供。GMP製造と規制対応文書に対応する。公式サイト
Avanti(Croda)GMP/合成脂質(DSPC・コレステロール・PEG脂質・イオン化脂質)高純度の合成リン脂質・PEG脂質の供給元として実績が多く、LNP4成分を幅広く展開する。公式サイト
NOF Corporation(日油)SUNBRIGHT PEG脂質・LNP用脂質PEG脂質を中心に高純度の脂質誘導体を供給。LNP処方向けのグレードを展開する。公式サイト
Corden PharmaGMP脂質・カスタム脂質製造イオン化脂質を含むLNP脂質の大規模GMP製造とカスタム合成を提供する受託メーカー。公式サイト
Cayman Chemical研究用イオン化脂質・LNP脂質処方検討・研究用途向けに各種イオン化脂質や脂質成分を提供する。公式サイト
Evonik / Northern LipidsALC-0315 ほか Northern Lipids 脂質材料イオン化脂質ALC-0315やPEG脂質、カチオン性脂質などをNorthern Lip, ブランドで供給しています。メーカーによるとALC-0315のバッチ純度は概ね99%以上とされ、R&D数量から供給可能とされています。公式サイト
BroadPharmSM-102(イオン化脂質, BP-25499)LNP形成に用いる合成イオン化脂質です。メーカー記載では分子式C44H87NO5・分子量約710・純度98%・pKa 6.68で、mRNA医薬の送達に使用されます。公式サイト
JenKem TechnologyLNP・RNA送達用脂質(イオン化脂質・PEG脂質)イオン化脂質やPEG脂質、ヘルパー脂質などをLNP・RNA送達向けに提供しています。メーカーによればPEG誘導体・脂質のGMP大規模製造や受注合成にも対応するとされています。公式サイト
Echelon BiosciencesSM-102(イオン化脂質, N-1102)RNA送達用のLNP調製に用いるイオン化脂質です。メーカー記載ではCAS 2089251-47-6・純度95%以上の試薬グレードで、研究用途向けに提供されています。公式サイト
SINOPEGイオン化脂質・PEG脂質(SM-102 / ALC-0315 / ALC-0159 / mPEG2000-DMG など)mRNAワクチン向けのイオン化脂質やPEG化脂質などを供給しています。メーカーはSM-102・ALC-0315・ALC-0159・mPEG2000-DMGなどをCOVID-19ワクチン用添加剤として挙げています。公式サイト

詳しく見る

用途・特徴

核酸を取り込むイオン化(カチオン性)脂質を中心に、粒子径と安定性を整えるPEG脂質、膜を安定化するコレステロール、二重膜を支える補助(ヘルパー)脂質を組み合わせます。送達効率と品質に直結するため、GMP・純度・特許が選定の中心軸になります。

脂質ナノ粒子(LNP)は4成分の組み合わせで設計します。中心はイオン化(カチオン性)脂質で、低pHの酸性緩衝液中で正電荷を帯びてmRNA等の負電荷の核酸を取り込み、生理的pHでは電荷をほぼ持たないため血中での毒性や非特異吸着を抑えます。細胞に取り込まれた後、エンドソームの酸性環境で再びプロトン化してエンドソーム脱出を促し、これが送達効率(発現量)を左右する最重要因子になります。

続きを読む

残る3成分は役割が異なります。PEG脂質は粒子表面を覆って粒子径と多分散度(PDI)を制御し、凝集を防いで保存安定性を高めます。PEG鎖長やアシル鎖の設計で投与後の脱離速度(in vivoでの挙動)が変わります。コレステロールは膜の充填密度と剛性を整えて粒子を安定化し、補助(ヘルパー)脂質であるDSPCなどのリン脂質は二重膜構造を支え、内封率(封入効率)に寄与します。4成分のモル比(代表的には50:10:38.5:1.5付近)とN/P比が処方の出発点です。

選定軸は純度・グレード・特許の3点が中心です。イオン化脂質は不純物(アルキル化体・酸化体・残留触媒)が核酸の修飾や安定性低下を招くため、HPLC純度・残留溶媒・元素不純物の管理されたGMPグレードが前提になります。さらに主要なイオン化脂質構造には特許が広く存在し、商用化では使用許諾やライセンスの確認が避けられません。安定供給とDMF・規制対応文書の有無も実務上の判断材料です。

使用方法

LNP脂質材料は、処方の4成分とモル比を決め、ナノ粒子化(混合)の条件を最適化し、品質を評価する流れで使います。一般的な処方・製造検討の進め方を整理します。

1イオン化脂質を選定しグレード・特許を確認する
24成分のモル比とN/P比を設定する
3脂質をエタノールに、核酸を酸性緩衝液に溶解する
4マイクロ流体等で急速混合しナノ粒子化する
5緩衝液交換(TFF)で粒子を精製・濃縮する
6粒子径・PDI・内封率・電位を評価する
実際のモル比・N/P比・混合条件・緩衝液は、核酸の種類とサイズ、目標粒子径、投与経路、装置によって変わります。ここでの順序は一般的な考え方の整理です。

関連製品

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)