製品ガイド ・ 処方設計

界面活性剤(ポリソルベート・ポロキサマー)

界面活性剤は、タンパク質医薬品の処方で、撹拌・輸送・凍結融解・充填などで生じる界面ストレスからタンパク質を守るために添加される非イオン性の添加剤です。

主な用途
界面ストレス保護・凝集抑制・非イオン性界面活性剤・タンパク質製剤
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界面活性剤(ポリソルベート・ポロキサマー)(掲載内容の修正)

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掲載メーカー8社Croda Pharma・NOF Corporation・Merck / MilliporeSigma ほか
掲載製品11製品3つの種類に分けて掲載
使う工程8工程撹拌・輸送ストレス保護・凍結融解保護・凝集・粒子抑制
関連モダリティ7種抗体医薬・二重特異性抗体・ADC

要点

メーカーと製品

8社・11製品
ポリソルベート(高純度・Super Refined)4製品
Croda PharmaSuper Refined Polysorbate 20 / 80独自のSuper Refining工程で過酸化物やアルデヒドなどの極性・酸化不純物を除いたポリソルベート。酸化に敏感な原薬・タンパク質処方の界面保護に使われる。公式サイト
NOF CorporationPolysorbate 80(HX2)/ 高純度ポリソルベート高純度オレイン酸を用い、アルデヒドや過酸化物などの不純物を抑えた高純度ポリソルベート。注射剤・ワクチンなどの製剤に使われる。公式サイト
Merck / MilliporeSigmaEMPROVE Polysorbate 20 / 80(high purity)過酸化物などの不純物を抑えた高純度ポリソルベート。EMPROVEドキュメントによりバイオ医薬・低分子製剤の処方に使われる。公式サイト
Avantor / J.T.BakerPolysorbate 80 / 20(NF, multi-compendial)多薬局方適合の植物由来ポリソルベート。高純度品やSuper Refinedグレードを含み、注射剤の製剤に使われる。公式サイト
ポロキサマー(P188)3製品
BASF PharmaKolliphor P 188(Bio / micro)ポロキサマー188の高純度グレード。バイオ医薬の最終製剤の界面保護に加え、上流培養での剪断保護を意図した品もある。公式サイト
NOF Corporation高純度ポロキサマー高純度の合成・精製技術を用いた界面活性剤。製剤・培養用途で使われるポロキサマーを展開する。公式サイト
Croda PharmaPoloxamer(高純度グレード)界面・剪断ストレスからの保護に使われるポロキサマー。タンパク質処方や培養での利用が検討される。公式サイト
その他4製品
BASFKolliphor P 188 Bio細胞培養用に純度・ロット一貫性を高めたポロキサマー188。シェア保護と表面張力低下により、撹拌・スパージング時の発泡と細胞損傷を抑える。公式サイト
BASFKolliphor P 188 Cell Culture低平均分子量のGMPポロキサマー。高シェア下で高い細胞保護を与えつつ、より不安定で速やかに消散する泡を生む点が消泡的に有利。公式サイト
Thermo Fisher ScientificPoloxamer 188 Non-ionic Surfactant 10% (24040032)Pluronic F-68(ポロキサマー188)10%水溶液。懸濁培養のシェア応力制御と撹拌培養での発泡低減に用いる非イオン界面活性剤。公式サイト
MerckPluronic F-68 (P1300)細胞培養・昆虫細胞培養グレードのポロキサマー188固体。シェア保護と泡抑制に広く使われるBioReagent試薬。公式サイト

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用途・特徴

代表的なものにポリソルベート20、ポリソルベート80、ポロキサマー188があり、気液界面や容器壁への吸着・変性・凝集を抑える目的で使われます。

タンパク質は気液界面や固液界面に吸着しやすく、撹拌・輸送中の振動・気泡発生・ポンプ送液・凍結融解・充填などの工程で界面に曝されると、構造が乱れて凝集や微粒子(サブビジブル粒子)の原因になります。界面活性剤はタンパク質より優先的に界面へ吸着し、タンパク質の界面吸着・変性を競合的に抑えることで、これらのストレスから守ります。

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実務上は、ポリソルベート20またはポリソルベート80を0.001〜0.1%程度の範囲で添加するケースが多く、最適濃度はCMC(臨界ミセル濃度)や対象タンパク質、ストレス条件によって異なります。ポリソルベートはエステル結合と不飽和脂肪酸鎖をもつため酸化分解を受けやすく、加水分解物や過酸化物(残留パーオキシド)の生成、含量低下が安定性上の課題になります。これに対し、ポロキサマー188(ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンのブロック共重合体)はエステル結合をもたず酸化安定性が高い選択肢として検討されます。

原料純度も重要な選定軸です。ポリソルベートはオレイン酸などの脂肪酸組成や過酸化物・アルデヒドなどの不純物がロットや銘柄で異なり、これらがタンパク質の酸化や分解を促すことがあります。過酸化物・アルデヒドなどの極性不純物を除いた高純度グレード(Super Refinedや高純度品)は、酸化に敏感な原薬・処方で選ばれます。

使用方法

処方設計では、界面活性剤の種類・濃度を、対象タンパク質とストレス条件に合わせて選定し、安定性試験で確認します。

1対象タンパク質と想定される界面ストレスを整理する
2界面活性剤の種類(PS20/PS80/ポロキサマー188)を選ぶ
3グレード・純度(高純度/Super Refined)を選定する
4CMCや先行知見を踏まえ添加濃度範囲を設定する
5緩衝液・処方に添加し均一に溶解させる
6撹拌・振とう・凍結融解などのストレス試験を行う
7凝集・微粒子・含量・過酸化物を評価する
8実生産の送液・充填条件で性能を確認する
9長期・加速安定性で界面活性剤の分解を追跡する
10最終濃度・グレードを規格として確定する
実際の選定は、タンパク質の界面感受性、濃度、容器・送液条件、酸化感受性、凍結融解の有無、規制対応(USP/EP/JP適合、CoA、不純物プロファイル)によって変わります。

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掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)