知っておきたいこと
武田薬品から引き継いだ創薬の基盤
Axcelead Drug Discovery Partners(Axcelead DDP)は、2017年7月に事業を始めました。武田薬品工業の創薬プラットフォームを、研究者、技術、設備、創薬のデータごと引き継いでいます。2019年4月に創薬維新投資事業有限責任組合の100%子会社になり、2020年4月には持株会社のアクセリード株式会社の下に入りました。
拠点は神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークにあり、従業員は約270名です。スクリーニング、化学、薬効薬理、薬物動態、安全性の機能を1か所にまとめ、標的の探索から臨床開発への橋渡しまでを受けています。低分子が中心で、タンパク質分解誘導剤、核酸(アンチセンス)、ADCの探索も支えています。
化合物ライブラリーとスクリーニング
ライブラリーは、製薬企業由来の150万化合物から、構造の多様さや溶けやすさ、細胞への毒性、過去の試験データをもとに選んだものです。HTS用のプールが標準で32万化合物(最大50万化合物)、1化合物ずつのライブラリーが31万7,000化合物あります。同社によると、これまでに試した700を超える標的の9割以上でヒットが見つかりました。
難しい標的向けには、分子量500以上で溶けやすく膜を通りやすい化合物を集めたライブラリーもあります。キナーゼでは、約320種のパネル試験を5年以上続けてきました。そのデータをもとに、約5,000化合物のキナーゼ向けライブラリーをつくっています。
乗り合い方式のHT-ADME
探索段階の薬物動態の試験(HT-ADME)は、決まった日程で動かしています。同社はアッセイの予定表を公開し、複数の会社の依頼をまとめて1回の試験で測ります。1社ごとに試験を組まないので、1化合物からでも安く頼めます。同社はこれを、貸し切りバスと乗り合いバスの違いにたとえています。
日程に合わせて動物を先に用意しておくため、げっ歯類のカセット投与は、依頼から3日後に投与と採血を行います。普通は投与までに2週間、報告までに3〜4週間かかる試験です。2023年度の実績では、依頼から報告まで平均7.2営業日でした。
化合物の数が少ない探索の初期でも、同じ日程の枠に入れて頼めます。
グループのARCALISとの分担
親会社のアクセリード(現ARCALISホールディングス)の下には、mRNAのCDMOであるARCALISもあります。mRNA医薬では、ARCALISがCMC開発と製造を受け、Axcelead DDPが薬効薬理、薬物動態、毒性の試験を受け持ちます。
同社が公表している数字では、スクリーニングでヒットを得た割合が95%です。リードの創出と最適化で目標を達成した割合は84%、依頼のリピート率は88%です。2026年9月には、AI創薬のElixとタンパク質分解誘導剤の共同研究契約を結びました。
日本からの頼み方
相談は公式サイトの窓口で受けていて、海外向けには英語のサイト(axcelead-us.com)もあります。
HT-ADMEは、公開しているアッセイの予定表に合わせて依頼し、Webの受注システム(CARS)で受け付けます。化合物の自動倉庫と分注ロボットを使い、試料の取り違えが起きない仕組みにしていると同社は説明しています。標的の探索から候補化合物の創出までをまとめて頼む場合は、プロジェクトごとに相談して進めます。