知っておきたいこと
生産から受託試験まで
日本エスエルシーの起こりは、1949年に静岡で設立された実験動物の飼育組合です。同社は、厚生省の要請にこたえて実験動物の生産と販売を始めたと説明しています。モルモットから始め、1951年にマウス、1970年からはSPFのマウス・ラットを生産してきました。1987年に現在の社名になり、1989年に本社を浜松市の湖東町へ移しました。
生産は大原・引佐・春野・中伊豆の4つの支所が担い、東京・京都・九州の配送センターから届けます。2005年には受託試験部と品質管理部をまとめて、バイオテクニカルセンターをつくりました。従業員は293名で、実験動物1級技術者が44名、獣医師が4名います。
受託試験の範囲
受託試験は、バイオテクニカルセンターと中伊豆支所の試験棟の2か所で受けます。安全性試験では、医療機器の生物学的安全性試験(ISO 10993)や、OECDテストガイドラインに沿った皮膚刺激性・眼刺激性・急性経口毒性の試験を扱います。発熱性物質試験など、医薬品等の品質管理のための生物学的試験も外部試験検査機関として受けています。
薬効薬理試験では、担がんモデルと外科処置モデルを使う評価を、同社は得意分野に挙げています。皮膚炎、糖尿病、IgA腎症、高血圧、自己免疫疾患のモデルも並びます。感染実験はBSL3まで行い、フェレットを使うヒトインフルエンザウイルスの試験も受けています。
遺伝子改変動物と処置モデル
遺伝子改変マウス・ラットは、ゲノム編集(CRISPR/Cas9)で作製します。gRNAの設計は提携先のセツロテックが担い、ノックアウトとノックインは4.5か月からです。作出した系統の次世代の生産、受託飼育、凍結胚・凍結精子の作製、無菌動物に腸内細菌を投与するノトバイオートの作製も受けています。
遺伝子改変動物はSPFのバリア施設の中で作るので、作製後のクリーン化が要りません。
処置モデルは30を超え、販売しているマウス・ラットにSPFレベルのまま手術や処置を施して納品します。腎臓の5/6摘出、各種カニュレーション、6-OHDAによるパーキンソン病モデル(ラット)、神経障害性疼痛モデルなどが対象です。
自社生産の動物を使う試験
同社は、自社で生産した動物を使うため、背景データがそろい、動物を待たずに試験を始められると説明しています。試験の結果には、品質管理部が発行する微生物検査の成績を付けられます。バイオテクニカルセンターはAAALAC Internationalの完全認証を受けています。生体試料では、自社生産のマウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、サル、フェレット、ブタから血清や臓器を採り、Ames試験に使うS9も作って販売しています。
日本からの頼み方
試験の相談は、公式サイトのお問い合わせページで受けています。訪問かWeb会議での打ち合わせから始め、秘密保持契約を結んで試験内容を詰めます。
動物の注文には、2026年7月に開設した発注フォームを使います。2026年8月には、フェニックスバイオのPXBマウスを新たに取り扱い始めたと案内しています。