知っておきたいこと
旧Covanceの非臨床試験と中央検査
Labcorpは、米国ノースカロライナ州バーリントンに本社を置く検査会社です。従業員は約71,000人で、2025年度の売上高は140億ドルでした。医薬品開発の受託の土台は、2015年2月に60億ドルで買収したCovanceです。社内にあったバイオアナリシスの会社Tandem Laboratoriesなども、このときCovanceの名前の下にまとめました。同社は、2025年にFDAが承認した新薬などの85%以上に関わったとしています。
2023年のFortreaの切り離し
2017年には英国のCROのChilternを買い、Covanceの医薬品開発の事業に加えました。2023年には、第I〜IV相の臨床試験の運営と患者の募集、それに使う技術の事業を、Fortreaという独立したCROとして切り離しています。
Labcorpに残った医薬品開発の受託は、非臨床試験、中央検査、バイオアナリシスなどの試験と検査です。
治験の検体の検査はLabcorp、治験の運営はFortreaと、受ける会社が分かれました。
毒性試験と非臨床の拠点
非臨床試験には約5,000人の専門スタッフがいて、そのうち165人以上が博士号を持っています。毒性試験は小動物と大動物の両方で、すべての投与経路を扱います。世界の拠点で年に2,000件以上の試験を始めていると同社は説明しています。一般毒性、生殖発生毒性、遺伝毒性、免疫毒性、安全性薬理のほか、吸入毒性や眼科の試験、医薬品の環境リスク評価も受けます。FDAへの申請に使うSEND形式のデータもつくります。
非臨床のラボは、米国のチャンティリー、デンバー、マディソンなど5か所、英国のハロゲート、ハンティンドン、ヨークなど5か所、ドイツのミュンスター、中国の上海にあります。アジア太平洋で非臨床の施設を置く国は中国だけです。上海の施設は8,300平方メートルを超えます。
中央検査ラボとバイオアナリシス
中央検査ラボは、米国インディアナポリス、スイスのジュネーブ、上海、シンガポール、埼玉県の川越の5か所にあります。治験ごとの採取キットは、インディアナポリス、ベルギーのメヘレン、中国の蘇州の3つの工場でつくります。2019〜2023年には、5,100以上の治験実施計画書と、100以上の国の試験を支えたとしています。バイオアナリシスのラボは、米国の3か所と英国の2か所、シンガポール、上海に置いています。
川越のラボと日本からの相談先
川越の中央検査ラボは2010年に開いた施設で、広さは4,000平方メートルを超えます。安全性検査、フローサイトメトリー、病理組織、特殊化学、ゲノム、免疫、微生物の検査と、検体の前処理・管理を受けます。ISO 15189とCAPの認定を受けていて、CAPの審査ではこれまで指摘を受けていないと同社は説明しています。
同社のアジア太平洋のページでは、非臨床試験の施設は中国、バイオアナリシスのラボは中国とシンガポールにあるとされています。日本にあるのは中央検査ラボです。
日本に本社を置く会社は、海外の拠点で行う非臨床試験を日本語で相談できるとしています。PMDA・FDA・EMAとやり取りした経験のある薬事のチームもいます。日本の会社は、公式サイトの医薬品開発向けの問い合わせフォームに試験の種類と開発の段階を書いて、相談を始めます。