知っておきたいこと
中国・英国・米国の28拠点
Pharmaronは2004年に北京で創業しました。創薬の化学から始め、いまは生物学、DMPK、安全性試験、臨床試験、原薬と製剤の製造までを受けています。従業員は29,000人を超えます。拠点一覧には中国の15か所、英国の5か所、米国の7か所、シンガポールの1か所が並びます。
拠点ごとに役割が分かれています。北京のTSPはGLPの安全性試験、紹興は商用の原薬製造、寧波はバイオ医薬品のCDMOを受け持ちます。英国では、リバプールが遺伝子治療のCDMO、ホッデスドンが創薬から原薬・製剤のGMP製造までを担います。米国では、エクストンがDMPK、サンディエゴが動物モデルと毒性試験、ボルチモアが臨床試験の拠点です。
非臨床試験の範囲
安全性試験は、中国・米国・英国の約1,100人の科学者が受け持ちます。GLPと非GLPを合わせて年に約4,000の試験を行うと同社は説明しています。一般毒性(単回・亜慢性・慢性)、安全性薬理、遺伝毒性、生殖発生毒性、病理がそろい、げっ歯類と大動物の両方を扱います。眼科の薬や医療機器、細胞・遺伝子治療製品の安全性試験も受けます。
北京TSPの施設は、FDAの査察を2009年・2013年・2019年に受けました。中国NMPA、英国MHRA、OECDのGLP認証も持っています。DMPKでは探索段階のADME試験を最短5日で報告し、非GLPの単回投与PK試験は発注から5日以内に結果を返すとしています。
ボルチモアの臨床薬理センター
米国ボルチモアの臨床薬理センターは、もとは新日本科学の米国子会社でした。2017年にPharmaronが過半の株式を取得し、新日本科学は少数の株式を持ち続けるとされました。施設は4階建てで63,000平方フィートを超え、96床があります。ヒト初回投与(FIH)、反復投与、薬物相互作用、QT評価などの第I相試験に加え、14Cで標識した薬を使うヒトでの代謝試験も受けます。標識体の合成から加速器質量分析(AMS)での測定まで自社でつなげる点を、同社は特長に挙げています。
このセンターは、日本人を対象にした民族間の橋渡し試験(ブリッジング試験)も受けています。第1世代の日本人の被験者を集められ、日本語を話す募集担当と臨床チームがいると同社は説明しています。
米国で日本人のデータを取る第I相試験を、非臨床試験と同じ会社に任せられる形です。
製造の拠点
低分子では、原薬のプロセス化学からGMP製造、製剤の開発と製造までを受けます。後期の治験から商用までの原薬製造も扱います。英国リバプールの工場は2021年にAbbVieから取得したもので、MHRAの認可を受けたGMP製造室でウイルスベクターとプラスミドDNAをつくります。2023年には英国政府の助成を受けて、1億5,100万ポンドを投じ、8,000平方メートル以上を広げる計画を発表しました。
日本からの相談先
公式サイトの拠点一覧に、日本の拠点は載っていません。問い合わせは公式サイトのフォームか代表のメール(bd@pharmaron.com)で受けていて、1〜2営業日で返事をするとしています。米国の窓口はマサチューセッツ州ウォルサム、本社は北京にあります。日本の会社は、この窓口に試験の種類と開発の段階を伝えて相談を始めます。