知っておきたいこと
広島のヒト肝細胞キメラマウス
フェニックスバイオは2002年3月に設立され、本社は広島県東広島市にあります。ヒト肝細胞の機能を保ったまま、実験動物の体内で大量に増やす技術を開発し、その肝細胞を使う事業を展開してきました。北米を中心とする海外市場の営業拠点として、米国ニューヨークに子会社のPhoenixBio USAを置いています。
米国デラウェア州のCMHL Consortiumも子会社です。PXBマウスの有用性を製薬企業、CRO、大学と共同で検証する組織で、2021年3月時点で海外製薬企業8社を含む11機関が参加しています。
PXBマウスの中身
PXBマウスは、肝臓の70%以上が正常なヒト肝細胞で置き換わったマウスです。試験に出すマウスの置換率は、概ね80〜85%です。ホストにはuPA+/+/SCIDマウスを使い、増えたヒト肝細胞が正常な肝小葉をつくります。ヒトアルブミンを産生し、ヒト型の胆汁排泄を示すと同社は説明しています。正常なヒト肝臓で発現するmRNAの95%以上が、この肝組織でも発現します。
生産は年間4,000匹以上です。独自に開発したホスト動物を使い、数か月にわたって高い置換率を保てるとしています。
試験の実施例
公式サイトの実施例では、30化合物のヒトクリアランスの予測を、PXBマウス、サル、ラットで比べたデータを紹介しています。ヒト代謝物の予測や、ケトコナゾールによるミダゾラム代謝の阻害を確かめた薬物相互作用の例も並びます。
肝毒性では、ヒト反応性代謝物の検出、ヒトALT1を使う肝毒性の予測、肝肥大の種差、トキシコゲノミクスの例があります。B型・C型肝炎ウイルスは持続感染し、インターフェロンなどの抗ウイルス効果を評価できます。
提携するCROと販売網
同社は、提携するCROと組んで試験のサービスを提供しています。提携先には、Axcelead Drug Discovery Partners、残留農薬研究所、シミックファーマサイエンスなどが並びます。
PXBマウスを使う試験は、提携するCROと組む形でも受けています。
2026年8月には、SMCラボラトリーズと原発性ヒト肝細胞がんモデルの共同開発と共同マーケティングを始めました。同じ月に、実験動物を生産・販売する日本エスエルシーも、PXBマウスの取り扱いを始めたと案内しています。
日本からの頼み方
相談は、公式サイトのお問い合わせフォームで受けていて、3営業日以内に連絡すると同社は説明しています。本社の電話は082-431-0016で、受付は平日の9時から17時30分です。
2026年11月16日には、つくばで開かれる日本薬物動態学会のショートコースで、同社がランチョンセミナーを開く予定です。