知っておきたいこと
ラウプハイムとミルフォードの2拠点
Rentschler Biopharmaは、ドイツ南部のラウプハイムに本社を置く家族経営のCDMOです。始まりは1872年に開いた薬局で、1983年には天然型インターフェロンβ(Fiblaferon)で世界初の承認を得ています。受託の事業は1997年に始めました。それ以来180以上のバイオ医薬品に関わってきたと同社は説明しています。
工場は2つあります。米国マサチューセッツ州ミルフォードの工場は2019年に買い取ったもので、延べ床面積を93,000平方フィートから138,000平方フィートに広げました。2024年には2,000Lの単回使用槽を4基備えた新しいラインが動き出し、同社のGMPの能力はおよそ2倍になったとしています。過去2年でこの工場に新たに導入した品目は7つあり、PPQ(工程の性能適格性評価)の段階かそれを終えたものも含みます。
2025年に細胞・遺伝子治療から撤退
同社は2021年に英国スティーブニッジに拠点を設け、細胞・遺伝子治療の受託にも乗り出していました。2025年1月、この分野から手を引き、スティーブニッジでの事業を終えると発表しています。市場の伸びが想定より遅かったことを理由に挙げ、動物細胞で培養してつくるタンパク質に力を集めるとしました。
いまの受託の中心は、抗体や融合タンパク質などの原薬の開発と製造です。
培養槽の規模と充填の分担
培養槽は、単回使用が2,000Lまで、ステンレスが3,000Lまでです。2016年には3,000Lのステンレス槽を2基並べた設備を加えました。流加培養のほか、連続培養や灌流培養の工程も受けます。実績には、二重特異性・多重特異性抗体、Fc融合タンパク質、酵素や凝固因子などが並びます。
製剤の充填は自社では行いません。Vetterと組む「Xpert Alliance」で、原薬から製剤までを2社で分担します。早い段階から情報を共有し、出荷の手間を減らす形だと同社は説明しています。2024年10月には、ラウプハイムで同社最大の単独投資となる緩衝液・培地の調製棟の建設を発表しました。4階建て・3,400平方メートルの建物で、2028年までに本格的に動かす計画です。
2つの工場をまたぐ受託の例
2026年1月、同社はVarmXの凝固因子製剤VMX-C001について、第III相と商用の製造を受けると発表しました。2022年からラウプハイムで初期開発を支えてきた品目です。第III相の治験薬とプロセスバリデーションは、ミルフォードに移して製造します。同社はこの発表で、EUと米国の両方にFDAの承認を受けた拠点があると説明しています。
日本からの相談先
同社は日本と韓国の顧客を、長年の地域パートナーであるSummit Pharmaceuticals International(SPI)と組んで支えています。SPIが連絡の取り次ぎ、日本の規制に沿った助言、文化の違いを踏まえたプロジェクト管理を受け持つ形です。2025年10月には京都のBioProcess International Asiaに出展し、京都・大阪・東京を回るロードショーも案内しました。
事業開発チームにはアジア担当の責任者がいて、英語の公式サイトの窓口から連絡できます。日本の会社は、SPIを通して相談するか、この窓口のフォームに案件の内容を送って始めます。