Drug Discovery & Development の報道によれば、製剤科学の年次学会 AAPS PharmSci 360 で、米国薬局方(USP)によるセッションが予定されている。
公定書が製造・試験に効く仕組み
USPは、医薬品の品質を判定するための試験法と規格を定める公定書である。日本薬局方(JP)、欧州薬局方(Ph. Eur.)と並ぶ三極の一角にあたる。
実務では、次のような形で日々の作業に入り込んでいる。
- 試験法の指定:溶出試験、無菌試験、エンドトキシン試験など、通則に従って行う
- 一般試験法の番号:
<85>バクテリアルエンドトキシン、<71>無菌試験、<1207>容器の完全性——といった番号で参照され、手順書に直接書かれる - 規格の下限:公定書に収載された品目は、その規格を満たすことが前提になる
分析法をバリデートする際も、公定書に収載された方法であれば検証の範囲が軽くなるなど、開発の工数に直結する。
標準が動くとき
公定書は固定されたものではない。新しいモダリティ(細胞・遺伝子治療、mRNA)や、新しい測定技術(迅速無菌試験、代替エンドトキシン試験)が出てくると、それをどう扱うかの議論が起きる。
- 新しい試験法をいつ、どの形で収載するか
- 既存の試験法をいつ改訂・削除するか
- 三極の間で要求をどこまで揃えるか
標準が動くタイミングを知っておくことは、規格を設計する側にとって実利がある。学会でこうしたセッションが持たれるのは、規格を使う側と作る側が直接やりとりする場が要るからだと言える。
※ 本ページは公開情報(Drug Discovery & Development の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。セッションの内容・日程は一次情報をご確認ください。