装置
2026.08.26Abbott

Abbott「Libre Duo 10 Day」FDA承認——グルコースとケトンを1つのセンサーで測る

装置

Photo: MARIOLA GROBELSKA / Unsplash

Abbott「Libre Duo 10 Day」FDA の認可を取得した。同社の発表(2026年8月25日)によれば、内容は次のとおりである。

「1つのセンサーで2つの分析対象を測る」という設計は、装置としての難所を1段上げている。

2成分を同時に測るということ

酵素電極方式のセンサーは、目的物質を酵素で反応させ、生じる電流を測る。グルコースならグルコースオキシダーゼ、ケトン(β-ヒドロキシ酪酸)なら対応する脱水素酵素を使う。

同じ留置デバイスで両方を測るには、次を成立させる必要がある。

分析法の特異性・選択性の問題が、1つのデバイス内で2重に発生する形になる。

なぜケトンなのか

グルコースだけを見ていても DKA の予兆を捉えきれない場合がある、というのが発表の論旨である。

インスリンが不足すると、細胞はグルコースを使えず脂肪を分解し、ケトン体が蓄積する。血糖が極端に高くなくても DKA が進行することがあり(正常血糖ケトアシドーシス)、とくに SGLT2 阻害薬の使用時に問題になることが知られている。

つまりグルコースは原因の一部しか映していない⁠。測る対象を増やすことで、単一指標では見えない状態を捉えようとする設計になる。

これはバイオマーカーの評価一般の考え方と同じである。1つの指標で判断すると、その指標が動かない経路での変化を見落とす。

「背景で監視する」設計

利用者に追加の負担をかけない、という点は運用上の要になる。

ケトンの測定は従来、指先穿刺の血中測定か尿検査で行われてきた。いずれも利用者が「測ろう」と判断して初めて実施される⁠。DKA の予兆を疑わなければ測らない、という構造がある。

常時測定にすると、この判断が不要になる。一方で、

持続血糖モニタの動的応答で議論されるとおり、常時測定を判断に使う場合、問われるのは静的な一致度より変化への追随である。上昇の速度をどこまで正しく捉えられるかが、警告の実用性を決める。

ポンプとの接続が段階的であること

発表が接続先ポンプの予定を具体的に挙げている点は、この分野の構造を示している。

センサーとポンプが別の会社の製品である以上、⁠組み合わせごとに検証が要る⁠。MiniMed が Abbott 製センサーとの組み合わせで出荷を開始したのと同じ形で、対応は1組ずつ進む。

医薬品でいえば供給者管理変更管理に相当する領域が、企業をまたいで発生することになる。

製造の側から見ると

センサーは体内に留置する使い捨ての部材である。医薬品ではないが、要求の形は近い。

新規性の高いデバイスほど、認可の後に作り続けられるかが問われる。De Novo という経路は前例のない機器に用いられるもので、製造の要求も新たに定義されることになる。

※ 本ページは公開情報(Abbott の発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。仕様・適応・提供時期の詳細は一次情報および同社の公式発表、FDAの公表文書をご確認ください。本文中の解説はセンサーと測定一般の構造に関する説明であり、当該製品の具体的な原理や性能を示すものではありません。

メーカー公式
abbott.mediaroom.com
メーカー公式を見る ↗

本記事はメーカーの公式発表をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

Newsletter

装置・試薬の新製品ニュースを、メールで

こうした製品ニュースと、製造・分析・品質の解説記事を月数回お届けします。登録は無料で、いつでも解除できます。

登録によりプライバシーポリシーに同意したものとみなします。

← 製品ニュースの一覧へ