バイオプロセス機器の Alphinity の単回使用TFF(接線流ろ過)プラットフォーム TFFi が、INTERPHEX 2026(2026年4月・ニューヨーク)で Best Tech Innovation を受賞しました。R&D World の報道(2026年4月23日)および同社サイトによる情報です。
以下、特長・性能はいずれもメーカーの説明・公表値(第三者検証ではない自己申告)です。
何を狙った装置か
TFF(接線流ろ過)は濃縮やバッファ交換の主力ですが、せん断に弱い分子では、循環に使うポンプ由来のストレスが品質の懸念になります。ここはATFとTFFの比較でも、両者の差の一部が「交互流そのものよりポンプ由来のせん断に起因する可能性」として指摘されている論点です。TFFi はこのポンプに手を入れた製品です。
- PIXER ポンプ:正変位(ポジティブ・ディスプレースメント)のフレックスダイヤフラム式で、蠕動ポンプのローラー/チューブ界面を排し、せん断を大幅に下げる設計とされます。
- 自動運転:ConSynSys 自動化と組み合わせ、平衡化から回収まで自動バルブ制御で無人運転できるとします。
- スケール:対応容量は30mL〜10L(最小作業容量30mL)で、開発から製造まで単一アーキテクチャで移行できるとしています。
- 設置ミス低減:単回使用フローパスはポカヨケ設計・色分けしたモジュール式プリアセンブリで、組み付けの誤りを防ぐ構成です。
メーカーは、第三者(MilliporeSigma)評価で既存の低せん断ベンチマークポンプ比、線速16倍でも約4.4倍のろ過性を示したこと、±0.1 PSI の圧力安定性を全運転域で実現したこと(最も近い競合の公表仕様比で約30倍タイト)を主張しています。
位置づけと留意点
原理は抗体などのUF/DF・TFFの基礎と共通で、狙いは「単回使用の手軽さ」と「低せん断・高い圧力安定性」を両立させる点にあります。せん断感受性の高い分子や、高濃度製剤のUF/DF/TFFのように膜面の条件が効く用途と相性がよい訴求です。
ただし挙げられた数値はメーカー/記事引用の主張で、実際の性能は対象分子・膜・運転条件で変わります。受賞は第三者評価の一形態ですが製品性能の保証ではありません。導入時は自社の分子・目標での確認が前提になります。