GENの報道によれば、St. Jude の Frank Fazio 氏が、バイオプロセス分野の人材需要、人を採り定着させることの難しさ、そして学校・カレッジ・大学との連携によって持続的な人材の流れを作る取り組みについて語った。
設備は買えるが、人は買えない
バイオ医薬の製造能力の話は、たいてい設備投資の金額で語られる。しかし工場を建てても、動かす人がいなければ稼働率は上がらない。
この分野の人材が特に確保しにくいのには、構造的な理由がある。
- 必要な技能が横断的:無菌操作、細胞培養、分析、そしてGMPの文書運用。どれか1つでは足りない
- 教育課程と噛み合わない:大学の生物系のカリキュラムは研究者を育てる設計で、GMP下の製造に必要な訓練とは重ならない部分が多い
- 需要の急増:細胞・遺伝子治療の拠点新設が相次ぎ、経験者の取り合いになっている
- 一人前までが長い:手技の習熟に加え、逸脱の判断ができるようになるには年単位の経験が要る
「連携」が現実的な解になる理由
即戦力を採り合っても、業界全体の人数は増えない。学校と組んで入口から育てるという発想は、時間はかかるが母数を増やす唯一の方法である。
実務的には、次のような形をとる。
- 現場の設備に近い訓練環境を教育側に用意する
- インターンや実習で、GMPの考え方に早い段階で触れさせる
- 進路として認知させる(多くの学生は、研究職以外にこの職域があることを知らない)
日本でも事情は近い。再生医療の製造拠点が各地に立ち上がる一方、そこで働ける人の育成は追いついていない。設備の話題に比べて表に出にくいが、能力拡張の実質的な制約はここにあることが多い。
※ 本ページは公開情報(GENの報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。発言の全文・取り組みの詳細は一次情報をご確認ください。