ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が、NVIDIA DGX SuperPOD を導入すると発表した、と Drug Discovery & Development が報じた。DGX SuperPOD は、複数の計算ラック、高速ネットワーク、管理ソフトウェアを1つの標準単位としてまとめた既製の計算基盤としてNVIDIAが販売しているもの。BMSはこれを製薬業界で最も強力なAIスーパーコンピュータだと位置づけている。同記事は、リリーやロシュの基盤との比較も扱っている。
「既製品として買う」という選択
注目したいのは性能値そのものより、調達の形である。以前なら、この規模の計算基盤は自社で設計し、部材を集め、構築していた。既製の単位として買えるということは、計算能力が設備投資の対象として標準化されたことを意味する。
製薬にとっての含意は2つある。
- 差がつく場所が移る:計算機を持っていること自体は差にならない。何を計算させるか、どんなデータで学習させるかに移る
- データの整備が前提になる:自社の実験データが、機械が読める形で揃っていなければ、基盤を持っていても動かせない
製造・プロセス開発から見ると
創薬の探索段階の話に見えるが、下流にも関わる。
- 分子設計の段階で製造性を織り込めるか:発現しやすさ、凝集しにくさ、精製のしやすさは、配列を決める段階で大枠が決まる
- 工程のモデル化:培養や精製の挙動を計算で予測できれば、実験回数を減らせる。ただしこちらは実測データの量が制約になる
計算資源が潤沢になっても、バイオプロセスのデータは実験でしか増えない。ここが低分子の設計と大きく違う点であり、計算基盤の増強が上流の探索ほどには効きにくい理由でもある。
※ 本ページは公開情報(Drug Discovery & Development の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。構成・規模の詳細は一次情報をご確認ください。