Labiotech が、自己免疫疾患に対するCAR-T療法を臨床試験で進める企業8社を取り上げた記事を掲載した。
がんから自己免疫へ
CAR-Tは、患者のT細胞に腫瘍抗原を認識する受容体を導入し、がん細胞を攻撃させる治療として確立してきた。自己免疫疾患への応用は、標的の考え方が変わる。
自己免疫疾患の多くでは、自己抗体を作るB細胞が病態に関わる。CD19などを標的にしたCAR-Tは、B細胞を一掃する。その後に再構築されるB細胞の集団が、自己抗体を作らない状態で戻ってくる——という発想である。
がん向けとの違いは、対象となる患者の状態にある。
- 生命を脅かす段階ではないことが多い:既存の治療で管理できている患者もいる。安全性への要求が厳しくなる
- 前処置の負担:CAR-T投与前のリンパ球除去化学療法を、がん患者以外にどこまで許容できるか
- 患者数が桁違いに多い:自家製造で対応しきれる規模ではない可能性がある
製造の観点で効いてくること
3点目が、この分野の製造にとって最大の論点になる。自己免疫疾患の患者数はがんより多く、1人ずつ作る自家製造では供給が追いつかないという見通しが立つ。
そのため、この領域では次の方向が同時に追われている。
- 同種(アロ)化:健常ドナー由来の細胞から複数患者分を作る
- in vivo CAR-T:体外で細胞を作らず、体内でT細胞を改変する。製造の負担が桁違いに下がる
- 製造期間の短縮:培養期間を数日に縮める試み
適応の広がりが、製造方式そのものの見直しを促している構図である。
※ 本ページは公開情報(Labiotechの記事)をもとにしたProglenth編集部による整理です。個社の開発状況は一次情報をご確認ください。