英国の再生医療・遺伝子治療の技術拠点である Cell and Gene Therapy Catapult(CGT Catapult)が、遺伝子治療向けの連続生産プラットフォームを公開しました。GENの報道によると2026年6月に公表されたもので、バッチ法が主流の先進医療医薬品(ATMP)の製造を、連続バイオプロセスへ置き換えることを狙った取り組みです。
どんな仕組みか
公表情報によると、このプラットフォームは上流と下流の両方に連続化の要素を組み込んでいます。上流では灌流培養(perfusion)を用いて、培養槽から連続的に産物を取り出しながら培養を続けます。下流では、清澄化に続いて 多カラムクロマトグラフィー(複数のカラムを切り替えながら連続運転する方式)を捕捉(キャプチャー)とポリッシュに用いる構成とされています。
多カラムクロマトグラフィーは、抗体などの伝統的な生物製剤の製造では使われてきましたが、遺伝子治療の分野では比較的新しい手法だと説明されています。バッチ単位で区切らずに連続で流すことで、装置あたりの生産性を高める狙いがあります。
何を目指すのか
CGT Catapult によると、回収率や全体の性能はバッチ法と「同等か、やや上回る」水準だとされています。連続化によって収量と生産性を引き上げ、スケールメリットを生かすことで、より多くの患者に届けられる規模の製造につなげることを目指すとしています。
遺伝子治療は、AAVなどのウイルスベクターの製造コストと収量が普及の壁になりやすい領域です。連続生産は、その制約をやわらげる選択肢の一つとして注目されています。連続化そのものの考え方は連続生産・プロセス強化、AAV製造の全体像はAAVの製造工程の側から見ると位置づけがつかみやすくなります。
留意点
CGT Catapult は非営利の技術拠点で、このプラットフォームは今後の広い実装に向けて改良を進める段階にあるとされています。同拠点は、治療の開発企業・機器ベンダー・自動化サプライヤー・受託製造機関(CDMO)など、協業先を募っています。現時点で示されているのは開発・実証の枠組みであり、個別製品の性能を保証するものではありません。