第一三共が、CD25 を標的にした抗体薬物複合体(ADC)「DS1025」の第1相試験で、最初の患者への投与を始めた。2026年8月27日に発表した。対象は進行または転移のある固形がんである。
これまでの ADC と狙いが違います。がん細胞を直接たたくのではなく、免疫のブレーキ役を外しに行く構成です。
がん細胞ではなく、免疫のブレーキを標的にする
CD25 は、制御性T細胞(Treg)の表面に多く出ているタンパク質です。Treg は免疫の暴走を抑える役目を持っていますが、腫瘍の周りに集まると、がんを攻撃しようとする免疫のほうも抑えてしまいます。
DS1025 は、抗 CD25 抗体にがん免疫向けに最適化した細胞傷害性ペイロードを結合させた分子です。第一三共の DXd 技術を使っています。腫瘍の中の Treg を減らし、抑えられていた抗腫瘍免疫を立ち上げ直す、という組み立てになります。
発表は、CD25 を標的とした ADC で承認されたものは、どのがん種にもまだ無いとしています。
設計の面では、標的が免疫細胞であることが効いてきます。ADC のペイロードは血中で外れると全身に回りますし、CD25 は腫瘍の外の T 細胞にも出ます。どこまで Treg だけを削れるかが、そのまま安全性の話になります。結合の均一さ(DAR)や部位特異的な結合が効くのは、こういう分子です。
45人という規模
試験は日本を含むアジアと欧州で行い、最大45人を組み入れます。標準治療を1つ以上受けたあとに進行した患者が対象です。安全性、忍容性、そして有効性の兆候を見ます。
45人という数は、第1相としては標準的です。ただし ADC の第1相では、用量を上げる過程で何が起きるかを見るのが本体になります。効くかどうかより先に、どこまで投与できるかが決まります。
DXd は第一三共が複数の品目で使ってきた基盤で、標的を替えながら展開しています。ペイロードとリンカーの供給が ADC の律速になりやすいなかで、自社で技術基盤を持っていることの意味は小さくありません。
試験の開始時期の詳細、用量設定、日本国内の実施施設は、発表からは分かりません。
※ 本ページは公開情報(第一三共の発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。試験計画の詳細は一次情報および同社の公式発表をご確認ください。