富士フイルムと堀場製作所は2026年6月16日、バイオ医薬品製造の培養・精製工程で、タンクや装置内の成分濃度を連続的かつリアルタイムに可視化する「インラインラマン高感度計測システム」を共同開発したと発表しました。試料を取り出さず非破壊で計測できるため、サンプリングを前提とする従来のオフライン分析では捉えにくかった成分の変化を、工程を止めずに把握できるとしています。
どんなシステムか
高感度ラマン分光装置、高集光効率のシングルユースプローブ、独自の計測アルゴリズムを組み合わせた構成をとります。富士フイルムが写真・光学デバイス事業で培った光学設計技術とバイオCDMO事業で得た製造の知見に、堀場製作所のラマン分光技術を組み合わせ、富士フイルム調べで業界最高水準の感度(SN比)を実現したとしています。
抗体精製での収率向上
適用事例として示されたのが、抗体医薬の精製工程での収率向上です。総タンパク量は分かるものの抗体と組成の近い不純物を見分けにくい紫外可視吸光光度法に対し、本システムはラマンスペクトルから抗体・不純物それぞれに由来する波数を抽出して濃度を識別します。これにより不純物濃度を基準内に保ちながら抗体濃度が最大になるタイミングで回収でき、従来法と比べて収率が約10%向上することを確認したとしています。
位置づけ
工程内(インライン)でのリアルタイム計測は、PAT(プロセス分析技術)として、品質を造り込みながら歩留まりを高める方向に寄与します。両社は早期の実用化に向けて実装検証を進める方針で、BIO International Convention に出展しました。
※ 本ページはメーカー公式情報をもとにした紹介です。仕様・性能・提供時期の詳細は公式サイトをご確認ください。