CDMOの FUJIFILM Biotechnologies が、新規のプロテアーゼを使った精製技術「ShunzymeX」を発表しました。GENの報道によると2026年3月に公表されたもので、英エディンバラ大学との共同開発とされています。抗体のように確立した捕捉レジンを持たない、複雑な生物製剤の精製を簡素にすることを狙った技術です。
以下、性能・優位性は同社の公表値(第三者検証ではない自己申告)です。
どんな技術か
ShunzymeX は、大きく3段階で働くとされています。まず、目的タンパク質にアフィニティタグ(精製用の目印となる短い配列)を付けます。次に、そのタグを認識する汎用のアフィニティレジンで、目的タンパク質を選択的に捕捉します。最後に、専用のプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)がタグだけを切り離し、元のタンパク質に痕跡(スカー)を残さない、という流れです。
狙いは、微生物で発現させたタンパク質の精製にあります。微生物発現の産物はサイズや配列の幅が広く、それぞれに合った専用レジンを見つけにくいため、精製の立ち上げに時間がかかり、収率や純度が伸び悩みやすい、という課題があります。ShunzymeX は「タグ+汎用レジン」に一本化することで、この個別最適の手間を減らすアプローチだと説明されています。
自動ダウンストリームと組み合わせる
ShunzymeX は、同社の自動ダウンストリーム装置 SymphonX と組み合わせられるとされています。SymphonX は、複数のダウンストリーム単位操作を1台でこなすオールインワン設計をうたう装置で、タグ付与から捕捉・タグ切断までの流れを自動化された精製プロセスに載せることを想定しています。公式情報では、多様な発現系に対応し、商用規模へのスケールも視野に入れるとされています。
位置づけと留意点
適したレジンの選び方そのものは精製レジンの選定、微生物由来タンパク質の精製の難しさは微生物のダウンストリーム精製の側から見ると背景がつかみやすくなります。ShunzymeX はCDMOが自社の受託プロセスに組み込む技術として位置づけられており、性能や適用範囲はメーカーの公表値です。実際の効果は対象タンパク質の性質に左右されます。