計測機器大手のメトラー・トレドが、2026年初の事業アップデートのなかで、バイオプロセス向けの新しいグルコースセンサーを追加したことを明らかにした。同社のインテリジェント・センサー・マネジメント(ISM)に連なるインラインセンサー群を拡充する位置づけで、バイオリアクター内のグルコース濃度を、抜き取りではなく工程の中で連続的に測ることを狙う。バイオ医薬の生産が同社ラボ部門の成長を牽引するなか、培養工程の計測を厚くする動きだ。
グルコースをインラインで測る意味
グルコースは細胞が増え、目的タンパク質を作るための主要な栄養源であり、その濃度は培養の状態を映す重要な指標になる。従来はサンプルを抜き取ってオフラインで測ることが多く、結果が出るまでの時間差や、サンプリングに伴う汚染リスクが課題だった。工程ラインの中で連続的にグルコースを測れれば、消費に合わせて供給(フィード)を調整するフィードバック制御がしやすくなる。これはフェドバッチや灌流のように、栄養の供給と老廃物の管理を精密に行いたい培養ほど効いてくる。溶存酸素やpH・CO₂の制御と組み合わせて、培養環境をより安定に保つ土台になる。
ISM(インテリジェント・センサー・マネジメント)とは
ISMは、センサー側に診断機能を持たせ、校正の履歴や残り寿命の予測、事前校正した状態での付け替え(プラグ&メジャー)などを可能にする仕組みだ。工程内計測(PAT)を現場で回すうえでは、センサーが「いつ校正が必要か」「あとどれだけ使えるか」を自ら知らせてくれることが、運用の手間とリスクを下げる。単回使用(シングルユース)のバイオリアクターが広がるなか、pHやCO₂の制御と並んで、グルコースのようなパラメータをインラインで押さえる要求は今後も強まりそうだ。
※ 本ページは公開情報(Lab Manager報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。