計測機器大手のメトラー・トレドは、2026年5月8日の第1四半期決算説明会で、バイオプロセス向けの新しいグルコースセンサーを最近発売したと明らかにした。パトリック・カルテンバッハCEOが説明会で触れ、Lab Manager は同社のインテリジェント・センサー・マネジメント(ISM)の製品群を広げる製品だと報じている。製品名や仕様、発売日は公表していない。同じ説明会では、バイオプロセス向けの需要がラボ部門のなかで最も強いと説明しており、培養工程の計測を厚くする動きとみられる。
グルコースをインラインで測る意味
グルコースは細胞が増え、目的タンパク質を作るための主要な栄養源であり、その濃度は培養の状態を映す重要な指標になる。従来はサンプルを抜き取ってオフラインで測ることが多く、結果が出るまでの時間差や、サンプリングに伴う汚染リスクが課題だった。工程ラインの中で連続的にグルコースを測れれば、消費に合わせて供給(フィード)を調整するフィードバック制御がしやすくなる。これはフェドバッチや灌流のように、栄養の供給と老廃物の管理を精密に行いたい培養ほど効いてくる。溶存酸素やpH・CO₂の制御と組み合わせて、培養環境をより安定に保つ土台になる。
ISM(インテリジェント・センサー・マネジメント)とは
ISMは、センサー側に診断機能を持たせ、校正の履歴や残り寿命の予測、事前校正した状態での付け替え(プラグ&メジャー)などを可能にする仕組みだ。工程内計測(PAT)を現場で回すうえでは、センサーが「いつ校正が必要か」「あとどれだけ使えるか」を自ら知らせてくれることが、運用の手間とリスクを下げる。単回使用(シングルユース)のバイオリアクターが広がるなか、pHやCO₂の制御と並んで、グルコースのようなパラメータをインラインで押さえる要求は今後も強まりそうだ。
※ 本ページは公開情報(Lab Manager の報道と、同社の2026年第1四半期決算説明会)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。