技術トピック
2026.09.13•Phacilitate Advanced Therapies Europe 2026

欧州の細胞・遺伝子治療、商業化の壁を業界側が指摘

技術トピック

Photo: CDC / Unsplash

Phacilitate Advanced Therapies Europe(ATE)2026 で、業界側から欧州への注文が相次いだ。⁠商業化、償還、製造のスケールアップ、患者のアクセスという積年の壁を解かなければ、細胞・遺伝子治療で世界の先頭に残れない、という趣旨である。

学会での発言なので、それ自体が何かを動かすわけではありません。ただ、並んだ4つは技術の話ではなく全部が仕組みの話でした。ここは押さえておく価値があります。

作れることと、届くことは別

細胞・遺伝子治療は、承認まで到達した製品が増えました。それでも、患者に届く数は想定を下回り続けています。

理由は品目ごとに違いますが、繰り返し出てくるのは同じところです。ひとつは償還で、一度きり数千万円という価格をどう払うかが国ごとに決まらない。ひとつは製造で、自家細胞製品の1患者1バッチという構造が、量を増やすほど効率が悪くなる方向に働きます。そしてもうひとつが施設です。治療できる病院が限られれば、患者は移動を強いられます。

欧州は規制の枠組みを早くから整えた地域ですが、⁠国が分かれているぶん、償還と施設の整備が国ごとにばらけます。同じ承認を持っていても、届く速さが国境で変わります。

製造側で言われていること

スケールアップの議論は、装置の大型化の話に見えて、実際は別のところにあります。閉鎖系と自動化で人手を減らし、技術移転で拠点を増やせるようにする。どちらも「1か所で大きく作る」のではなく、⁠同じものを複数の場所で同じように作るための投資です。

生体内で作る方向、つまり患者の体内で細胞を改変する手法が注目されているのも、この文脈です。工程の大半が要らなくなるなら、製造の壁そのものが小さくなります。ただし、これはまだ臨床の途中にある選択肢で、いま承認されている製品の問題を解決するものではありません。

なお、BioProcess International の報道では、英国 MHRA の Jacob George 氏が規制の側から、革新を促しつつ基準は下げないと述べ、主催者 Phacilitate の Kimberley Barnes 社長が、規制・製造・償還・投資の足並みをそろえる必要が繰り返し語られたと述べています。

※ 本ページは公開情報(PharmaSource の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。発言の詳細は一次情報および主催者の公式発表をご確認ください。

チームにも共有する
メーカー公式
pharmasource.global
メーカー公式を見る ↗

本記事はメーカーの公式発表をもとに、Proglenth編集部が独自に見出し・要約・解説を加えて整理したものです。正確性には努めていますが、最終的な仕様・条件は各社の公式情報・一次情報をご確認ください。編集の考え方は編集方針に記載しています。

Newsletter

装置・試薬の新製品ニュースを、メールで

こうした製品ニュースと、製造・分析・品質の解説記事を毎週水曜の朝にお届けします。登録は無料で、いつでも解除できます。

登録によりプライバシーポリシーに同意したものとみなします。閲覧の記録(どのページから、どの会社のサイトへ移ったか)を、ご案内のために使います。