インドのCRO/CDMOであるSai Life Sciencesは、実験1回から取るデータ点を増やして反応速度論モデルに入れ、50 g規模の実験から50〜100 kgのプラントバッチへ中間のスケールアップを減らして進む構想を掲げている。Drug Discovery & Developmentが2026年7月末、同社CMC部門を率いるTuneer Ghosh氏の話として報じた。
Ghosh氏によれば、新薬が市場に届くまでの10〜12年という従来の道のりを、顧客はもう受け入れていない。記事は、Deloitteの調べとして1品目あたりの開発費が26.7億ドルに達したことも引いている。
50 gと100 kgの2,000倍を、データリッチな実験とモデルでつなぐ構想
50 gから100 kgは2,000倍だ。混合や伝熱は容量に比例して大きくならないため、フラスコで進んだ反応が約2,000倍大きな槽でも同じように進むとは限らない。従来は、規模を段階的に上げる中間バッチを挟んで問題を洗い出してきた。
同社は、そのバッチを減らす代わりに、1回の実験で役に立つデータをできるだけ多く取る「データリッチな実験」を進める。得たデータをモデルに入力し、規模で変わる挙動を事前に見積もる。Aspen、DynoChem、MixITといったエンジニアリングツールにも投資していると報じられている。
顧客ごとに区画を分けるデータレイク
CDMOでは知的財産が顧客に帰属するため、同社が構築を進めるデータレイクは顧客ごとに区画を分けて持つ。規模について、Ghosh氏は今は言えないと答えている。BCGと進めるデジタル化のロードマップも並行している。
実務の確認ポイント委託先の実績を確かめるときの留意点
AstraZenecaとの2026年の論文は、初期のスケールアップでインライン赤外分光を使った例で、公開されている範囲は数十グラム規模までだ。50〜100 kgへの直接の移行を示した実績ではない。委託を検討する側は、モデルで見積もった挙動を実際のプラントバッチで検証した例を確かめることになる。
※ 本ページは公開情報(Drug Discovery & Development の報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。記事は概要の範囲で確認しており、手法や実績の詳細は一次情報でご確認ください。