医薬品包装の SCHOTT Pharma が、感受性の高いバイオ医薬向けの滅菌済み(RTU:Ready-to-Use)ガラスカートリッジ cartriQ BioPure を発表しました。Manufacturing Chemist の報道および同社公式ページによると2026年4月末に公表されたもので、モノクローナル抗体や融合タンパクのような壊れやすい分子、加えて不妊治療や成長ホルモン欠乏症の治療を対象としています。
以下、品質・性能はメーカーの公表値(第三者検証ではない自己申告)です。
何を改善しようとしているのか
カートリッジは、ペン型注射器やオートインジェクターに組み込まれる一次包装です。中身が壊れやすいバイオ医薬の場合、容器の内面から溶け出す成分(抽出物・溶出物=E&L)や、注射器の滑りをよくするために塗るシリコーンが、薬剤の凝集や品質低下の引き金になりえます。cartriQ BioPure は、この2つの弱点に手を入れた製品です。
- ガラス:FIOLAX Pro Type I ホウケイ酸ガラスチューブを採用。加水分解耐性はISOの最大許容値を大きく下回り、ナトリウム・アルミニウムの出荷基準は現行のUSP〈660〉ドラフト要件を上回るとしています。
- シリコーン:焼付け(ベークドオン)シリコーン技術で、遊離シリコーン量を低く安定的に抑え、放出試験で検証するとしています。
狙いは、化学的な品質と改善されたE&Lプロファイルによって、長期の薬剤安定性と溶出リスクの低減に寄与すること、と説明されています。
位置づけと留意点
サイズは3mlと5mlの2種で、ペン型・オートインジェクター向けに設計されています。発表時点でサンプルは供給済み、商用ローンチは2026年末のCPhI Milan 2026を予定しているとのことです。
容器まわりの品質は、E&Lの評価や容器施栓系の完全性(CCI)、そしてプレフィルドシリンジでの凝集といった論点と地続きです。示されている加水分解耐性やシリコーン量はメーカーの公表値であり、実際の適合性は充填する薬剤・充填条件・保存条件によって変わります。導入時には自社の製剤での確認が前提になります。